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acquired ability ―神に与えられた才能―  作者: Bamboo Smart
一章
4/4

エリク

 無の空間の旅はずっと暗闇だった、また1分ようにも1ヶ月のようにも思えた。

 正則に光が見えた時始めに見えたのは、白い天井だった。


 「¤¢$\¢ℓ≈∅∉∬ℵ∂!@*#…」


 修道女のような女性が正則を見て、何か言った。しかし、正則は彼女が何を言っているのか分からなかった。


(やっぱり言語が違うのか…まず、言葉を覚えなければいけないな。)


 こうして、正則の新たな人生がスタートした。


 5ヶ月後、正則は必死に言葉を覚えたので日常の会話くらいは出来るようになった。しかし、5ヶ月で日常の会話が出来るのはあまりに異常なので、今は話さないことにした。


 言葉を覚えたので、正則のこの世界での名前はエリクということ、ここは教会が運営している孤児院だということがわかった。


 それから2ヶ月後、エリクは歩き方のコツがわかるからかもう歩くことが出来るようになった。ずっと歩くことができなかったのでエリクはとても嬉しくなった。


 このときから、エリクは建物の中を見て回ることにした。


 「エリク、もう歩けるようになったの!?」


 修道女たちには驚かれたが、エリクは気にせずに歩き続けた。


 まず見つけたのは教室のような大部屋だった。6、7歳くらいの子供たちが、文字の勉強をしているようだ。


(これからは文字を覚えよう。)


 エリクはそう決意した。


 次に見つけたのは蔵書室だった。見て見たかったが、まだまだ背が低いので手が届かなかった。


 また7ヶ月が経った。エリクは最近、孤児院で働いている修道女たちと会話している。

 話し方がやけに大人びていると言われているが、笑ってごまかしている。

 

 やっと文字も覚えられた。

 今は、教室の後ろから覗き見ながら歴史の勉強をしている。

 この世界は、元いた世界での中世ヨーロッパのような世界だ。


 ここはイリアス王国という大陸の西にある国だ。その東部にあるウィラウという都市の近郊にこの孤児院はある。


 この国のほとんどの人は、リックス教という宗教を信仰している。この孤児院もその宗教が運営している。


 この国には少ないが、亜人や獣人もいるらしい。エリクは一度でいいので会ってみたいと思ってた。


 本棚の前に立っていると、修道女がやってきて読み聞かせをしてくれるが、子供用の絵本ばかりで飽き飽きしていた。


 時間が過ぎるのは早いもので、エリクは3歳になった。


 この世界には魔法適性の儀式というものがあり、3歳のときにこの儀式を受けることになっている。


 今日は、エリクがその儀式を受ける日になったのだ。


 「緊張しなくてもいいからね。」


 孤児院の院長であり、司祭でもあるオーギュスタンが優しい声で言った。


 オーギュスタンは石板を右手に持ち、左手をエリクの頭にのせた。


 すると、石板が白く光り文字が浮かび上がってきた。


 その文字を見たオーギュスタンの顔に、驚愕の表情があらわれた。


 「こ、これは……」


 「どうしたのですか?院長」


 オーギュスタンの表情にエリクは心配になった。


 「…いや、何でもない。お前の魔法適性はsssランクだ。」


 「それ、本当ですか!?」


 魔法適性sssランクの人は、伝説に出てくる勇者くらいのでまさに人外と言えるほどの力を持っているのだ。


 「いいか、この事は誰にも言うなよ。sssランクだとわかると、お前の力をなんとしても手に入れようとする人が出てくるだろう。」


 確かに、sssランクともなると1人で何十人もの兵士と戦うことが出来るので、誰もがその力を欲しがるだろう。


 エリクは頷いた。


 「そうだ、忘れておった。」


 そう言ってオーギュスタンは倉庫に入って、細長い木箱と手紙を持って来た。


 「これはお前がここに来たときお前の横に置いてあったものだ。3歳になったときに渡してくれと書いてあった。」


 オーギュスタンはその木箱と手紙をエリクに渡した。


 「ここでは邪魔になるので、自分の部屋に戻って開けるように。」


 オーギュスタンはそう言って、管理室へと戻っていった。


 (ここに来たときに置いてあったってことはあの神が置いたってことだよな…)


 エリクは部屋に戻った。

 相部屋だが、今はエリク1人しかいない。


 「さあ、何があるのかな。」


 まずは、手紙を見てみた。

 封を切ってみると、中の手紙は日本語で書いてあった。


 『やあ、久しぶり。

  多分、魔法適性の儀式、終わったところだよ

  ね。

  驚いたでしょ!!

  初めて会ったときあまりに驚かなかったから

  ね。

  今度は驚いたでしょ!!

  もっと驚くこと沢山用意してあるから。

  そうそう、その剣は天叢雲剣〔アマノムラクモ

  ノツルギ〕って言う剣だよ。

  日本人だから日本の剣のほうがいいかなぁ~っ

  て思って。

  色々と付加効果があるからね。

  じゃあ、これからも頑張ってね。

                    by神』


 (やっぱり神がしたか…ってか天叢雲剣〔アマノムラクモノツルギ〕てなに?)


 エリクが木箱を開けてみると黒い鞘に包まれた剣があった。

 剣を抜いてみると少し黒っぽい光沢のある刀身が、あらわれた。

 刃渡りは80㎝くらいの両刃の長剣で、まだ3歳のエリクには重たかったが、鉄にしてはあまりにも軽かった。


 「試し斬りしてみたいな。」


 エリクは孤児院の裏にある山へ向かった。


 そこにあった倒木に向かって天叢雲剣を振ってみた。

 エリクには重すぎて、体がブレてしまった。

 しかし、倒木は見事に真っ二つに切れていた。


 「すっげー!!」

 

 エリクが切り口を見てみるとバターを切ったかのようになめらかに斬れていた。


 「これだけでも凄いのに、付加効果があるって言ってたよな…」


 エリクはワクワクしながら孤児院に帰った。



 3歳になるまではサクッと書いちゃいました。

 ちなみに、天叢雲剣〔アマノムラクモノツルギ〕は素戔嗚尊〔スサノオノミコト〕が八岐大蛇〔ヤマタノオロチ〕を倒したとき、八岐大蛇〔ヤマタノオロチ〕の尾から出てきた剣のことで、後に草薙の剣と呼ばれるようになった剣です。

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