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最強魔導師は不毛の大地でスローライフを送る ~凶悪な魔物が跋扈し瘴気漂う腐界でも、魔法があれば快適です~  作者: えぞぎんぎつね


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66 お風呂計画

 俺は作ることに決まった建物と設備を頭の中でまとめてみる。


 まずはコボルトたちがのんびりする家。これはもう既にコボルトたちが建築中だ。


 次にコカトリスたちの砂浴び場。これはそう難しくない。


 三つ目がノエル案のお風呂。コボルトたちに全てを任せるのは難しいかもしれない。

 コボルトたちは大地の精霊なので、水回りは俺が作るしかないだろう。


 四つ目がシルヴァ案の聖獣の子が慣れるまで過ごす家。


 最後にジルカ案の防衛設備だ。これはまだ具体的な案がまとまっていない。


「俺はお風呂から作ろうかな」

「おおー。ノエルもてつだうな?」「がうがう」

「ありがとう。ノエルとガルガル。でも、石鹸草についてはもういいの?」

「いい! もうおしえてもらったからな?」

「ノエルは本当に物覚えがいい。驚くほどだ」


 ミアがそう言って、ノエルの頭を撫でる。


「えへ、えへへへ」


 ノエルは頬を赤くして照れている。

 綺麗なお姉さんに褒められたから嬉しいのかもしれない。


「ノエル、今度は俺にも石鹸草について教えてくれ」

「まかせてな? あ、ティルはれんきんじゅつしだから、せっけんつくれそうだな?」

「……まあ、成分によるけど、作れる可能性は高いかも」

「おお! つくれたら、つくって! さっぱりかんがちがうし?」

「わかった。お風呂ができたら試作してみようか」

「やったー」「わふわふ!」


 ノエルは大喜びだ。そしてノエルが喜ぶとガルガルも喜ぶ。


「石鹸とやらが何かわからないが、石鹸草を採ってこよう。いつでもティルが作れるようにな」

「助かる。ありがとう。ミア」

「ありがと! ミア」「がうがう!」

「お、我もついて行くのだ。石鹸草には興味があるのである!」


 ミアとジルカが石鹸草を採りに拠点の外へと走って行った。


「じゃあ、ノエル。どこにお風呂を作るかから決めようか」

「うん! ノエルはなー。家のちかくがいいとおもうな?」

「確かに冬は寒いからな。家から遠いと湯冷めしてしまうだろうし」

「そう! なでなでばしょのちかくにたてる?」

「それもいいな。ちょっとコボルトたちと相談しよう」


 俺とノエルは、なでなで場所を建築中のコボルトたちの元へと歩いて行く。


「ノエルは頭が良いなぁ」

「ノエル、立派になって」


 ノエルを嬉しそうに見守っていたフィロとカトリーヌも付いてくる。

 育てのノエルの親であるシルヴァは地面に伏せて、ノエルを見守っていた。

 シルヴァはノエルを見守りつつ、隣にいる子猫たちを毛繕いしている。


「なー、こぼるとたちー」

『どしたわん?』『なでにきてくれたわん?』


 作業を中断して寄ってきたコボルトたちを俺とノエルは撫でていく。

 撫でられ終わると、満足したのか数頭を残して作業に戻っていった。


『てぃるみててわんね!』『がんばっているわん!』

「みてるよ!」


 コボルトたちは尻尾を振りながら、なでなで場所の建築を再開した。

 小さな体に小さな手を器用に動かして、立派な建物を素早く建てていく。


 大地の精霊らしく魔法の使い方もとってもうまい。


 俺は作業をするコボルトたちを見ながら、残ったコボルトに言う。


「ここの近くにお風呂を作ってもいいかな?」

『おふろってなんだわん?』

「えっとね。大きな鍋みたいなものにお湯を入れて中に入るんだけど」

『たのしそうだわんね』『きもちよさそうだわん』

「うん、たのしいし、きもちいいのな? おおきさはーこのぐらいでー」


 ノエルは聖樹の枝で地面にお風呂のごくごく簡単な設計図を書いていく。


「あのいえがこれでー。しんでんがこれ。おふろがこれ?」

「脱衣所とかもほしいよね」

「じゃあ、だついじょはこのぐらい?」

『けっこうおおきいわんねー』『みんなではいれるわん』


 俺とノエルとコボルトたちで相談して決めていく。

 ノエルはお風呂に入ったことがないはずなのに、なぜかお風呂に詳しいようだった。


『ゆぶねはいしでつくるわん?』『いしでつくるなら、とくいだわん!』

『からだをあらうばしょのゆかも、いしにするわん?』

『いしなら、すぐにつくれるだわんね!』

「おお、頼りになるな。さすがは大地の精霊」

『ほめられたわん』『なでてわん!』


 褒められたことを察知したコボルトたちが集まってくる。

 作業中だったコボルトまで中断してやってきた。


「よーしよしよし、頼もしいぞー。助かるよ」

「すごいすごい!」


 俺とノエルで全員を一通り撫でまくる。撫で終わるとほとんどが作業に戻っていった。


「ちなみになでなで場所って、どのくらいの大きさになるんだ?」

『このぐらいだわんねー』

『なでなでばしょとつなげるわん?』

「近くに建てたいとは思っていたが、建物自体をつなげるのか。……それもありだな」


 お風呂上がりにのんびり寝っ転がる場所があればとてもいい。

 寝っ転がりながら、コボルトたち精霊や聖獣たちをもふもふできたら最高だ。


「体を洗う場所は広めが良いよね」

「そだな? がるがるでかいし。あ、ろてんぶろもほしいな?」

「おお、いいね。でも、外からの視線をさえぎる必要があるから――」

『なんでだわん?』『みえたらこまるわん?』


 コボルトたちが不思議そうに首をかしげる。すごく可愛い。


「人族は他の人、特に異性に裸を見せないんだよ」

『ふしぎだわんねー』『ひとぞくはかわっているわん』


 人族の風習は特殊と言われたら、その通りだ。

 確かに人族以外の生物は皆全裸で暮らしているのだから。


『なら、まほうをつかうわんね?』

「お、拠点を隠している魔法と同じもの?」

『そうだわん。まかせるわんね』

「ありがたい。助かるよ」


 コボルトの魔法があれば、外からは見えないのに、中からは景色を楽しめる。

 露天風呂には最適だ。


『おゆはどうするわん?』

「俺が魔法で出して湯船にためるよ」


 そんなことを話していると、ノエルを見守っていたカトリーヌがそばに来る。


「兄弟子。湯船の大きさを詳しくおしえてください。お湯の量はどのくらいなんですか?」

「えっと、そうだな。広さがこの位で、深さは――」


 俺が説明すると、

「わかりました。ならば、この位のスペースを湯船の端に用意してください」

「それはかまわないが、何のために?」

「魔導具でお湯が冷めにくいようにします」

「おお、助かるけど、大変じゃないか?」

「同様の機能を持つ既存の魔導具はありますから。簡単です」

「じゃあ、お願いしたい。ありがとう」

「いえいえ、魔石は余っていますよね?」

「それはもちろん。毎日魔物を狩っているし、土壌改良魔法陣で魔石が産出しているからね」


 星見の神に捧げても、魔石は余るのだ。


「じゃあ、燃料は魔石にしましょう。ノエル。待っていてね?」


 そういって、カトリーヌはノエルの頭を撫でる。


「かあさますごい!」

「ふふふ。でも、ノエルはお風呂に詳しいのね? 腐界ではあまりお風呂に入れないでしょう?」


 俺が疑問に思ったことをカトリーヌも思ったらしい。 


「…………なんとなく? あ、それにいえでおふろに入ったことあるしな?」


 ノエルは少しだけ言いよどんだ。


「小さかったのによく覚えているわね」

「ノエルは天才だったんだなぁ。父と母の顔も覚えていたし」


 近づいてきていたフィロが嬉しそうにノエルの頭を撫でた。


「そうなのなー。じつはけっこう、おぼえているのな? にいさまとじいさまのこともな?」

「おおー。さすが天才。ノエルは規格外だな!」

「ノエルは凄いわ」

「それほどでもあるかもな?」


 両親に褒められて、ノエルは嬉しそうだ。


 そのとき、俺はコボルトたちに服を引っ張られた。


「どした?」


 撫でてほしいのかと思い、コボルトたちを順番に撫でていく。


『えへへー。よごれたおゆはどうするわん?』

『えへへ、すてたらもったいないわんね』


 どうやら、コボルトたちは排水について気になっていたらしい。

 腐界において清浄な水は貴重なのだ。


「そうだなぁ。畑に使う?」

『つかうわん!』『たすかるわんね!』


 お風呂について相談が終わったころ、ペロ親子とモラクスが戻ってきた。

 四頭全員が大きな木を咥えて、引きずって運んでくる。


『まずよんほんもってきた』『まだまだもってくる』

「もっも」「わぅ~」

『ありがとだわん!』『たすかるわんね』

『さっそくつかわせてもらうわんねー』


 コボルトたちがお礼を言って建設作業に入る。


「ペリオス、ペリーナ。俺も手伝おう」

『だいじょうぶ』『よゆう』

「ノエルに木の切り方を教えたいしな。ノエルも人族の魔法を見たいだろう?」

「みたい。ひとぞくの魔法、ノエル、きになるな?」

「だろう? ということで、一緒に行くよ」

『わかった』『ついてきて』


 俺とノエルはペロ親子とモラクスと一緒に拠点の外へと向かうことにした。

「もっも」「わふわふ」

 モラクスとペロはすごく嬉しそうに俺とノエルの周りを駆け回る。


「モラクス、ペロ、よろしくな」

「よろしくな?」

『もらくすがきをきるとこ、みてて?』「わふわふ」

「ああ、見せてもらうよ、楽しみだ」


 外に向かって歩いていると、フィロとカトリーヌまで付いてくる。


「フィロとカトリーヌは拠点内で待っていてくれ」

「いや、俺も……」「私だってついて……」

「瘴気対策が面倒だからな。あまり遠くに行かないから、拠点の中から見ていてくれ」

「とうさま、かあさま、なかから、ノエルのことみててな?」


 ノエルにもそう言われて、フィロとカトリーヌは拠点の中から見学することになった。

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