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最強魔導師は不毛の大地でスローライフを送る ~凶悪な魔物が跋扈し瘴気漂う腐界でも、魔法があれば快適です~  作者: えぞぎんぎつね


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62 新たな仲間

 次の日のお昼前までかけて、俺は拠点内に土壌改良魔法陣を描ききった。


「これでよし。モラクスとペロも見守ってくれてありがとう」

『どんどんはやくなる』「わふわふ」

「そうだな。慣れたからね」


 モラクスとペロを撫でまくっていると、

『じるか、かえってきた』

 モラクスがジルカの帰還に気がついた。


「お、ほんとだ。モラクスは気づくのが早いなぁ」

『そうしょくだからね』


 自然界では捕食される側だから気配に敏感だと言いたいのだろう。


「ジルカたちが戻ってきたってことは、そろそろお昼ご飯だね。食べに行こう」

「もっも」「わふ」


 昨日と同様に、ジルカとペリオス、ペリーナは見回りしてくれているのだ。


『きょうはかれー?』

「そうかも。ミアがお昼ご飯作ってくれるらしいし」

『かれーすき』「わふわふ」

「そうだね、咖喱はおいしいもんな」


 俺たちは拠点の中心に向かって歩いて行く。


 拠点の中心には建つのは家二軒と神殿、倉庫、合わせて四軒の建物だ。

 建物同士の距離はかなり離してある。これから新たに建物を建てるかもしれないからだ。


 建物の入口は中心に向けて取り付けてあり、中心は広間のようになっている。


 広間の中央にはみなでご飯を食べるための大きなテーブルと野外調理用のかまどがあるのだ。


 聖樹は建物の外側に等間隔で植えられている。

 リラがどこに植えるかお願いしていたので、きっと聖樹の場所には意味があるのだろう。


 そして聖樹の更に外側には、コボルトたちが畑を作りはじめてくれている。

 コボルトたちの作ったかまどや炉などは畑と建物の間ぐらいだ。


「コボルトたちのおかげで、どんどん便利になるねー」

『べんり』「わぅわぅ」


 平坦な場所を選んで拠点を作ったうえに、拠点内の魔樹と魔草は全部伐採済みだ。

 魔樹と魔草はあくまでも魔物。瘴気を出すので伐採せざるを得ないのだ。


「見通しが良いよね」

『いい』「わぅわぅ」


 おかげで拠点内のどこにいても、誰が何をしているのか目に入りやすい。


 コボルトたちは一生懸命畑を耕している。

 神殿の近くではモニファスが子供たちに色々と教えていた。

 今日は読み書きと計算を教えるらしい。


 なぜかカトリーヌとフィロもノエルと一緒に真面目に勉強していた。

 今日のお昼ご飯担当のミアも咖喱を作り終えたのか、一緒に勉強しているようだ。


 ガルガルと子猫たちも思いのほか真面目に勉強している。


「ガルガルと子猫に、読み書き計算が必要なのかな?」

『わかんない。でも、シルヴァはできそう』

「…………たしかに。できそうだな」


 シルヴァからはそのぐらいできそうな知性を感じる。

 親ができるならば、子もできた方が良いのかもしれない。


「モラクスは、モニファスに教えてもらわなくていいの?」

『きょうのところはぜんぶわかる』


 モラクスにとっては、今日のモニファスの授業の内容は基礎の基礎らしい。

 だから、みんなの学習の邪魔をしないよう、俺の作業を見守っていたようだ。


「ということは、モラクス読み書きできるの?」

『できる』


 モラクスは立ち止まり、蹄で器用に「もらくす」と地面に書いて見せた。


「おおすごい。っていうか神代語?」

『うん。しんだいご』

「すごいな。外の世界の人族でも神代語を読める人はそういないよ」「わぅわぅ」


 俺とペロが褒めるとモラクスは嬉しそうに尻尾を揺らしている。


「魔導師なら古代語までは勉強するけど、神代語までは中々勉強しないんだよ」

『でも、てぃるはよめる』

「うん。師匠に教わったからね。昔の魔法陣とか魔導書を解読するのに便利だし」


 古代語の元になったのが神代語だ。

 神代語の読み書きができれば、古代語は何も難しくない。

 そして、古代語がわかれば、現代語は簡単だ。


「モラクス、これ読める?」


 俺は地面に指で現代語で「ティル」古代語で「リッシュ」と書いてみた。


『てぃる・りっしゅ?』

「正解。こっちが現代語でこっちが古代語」

『そっかー』


 そんなことを話していると、ジルカたちが帰ってきた。シルヴァも一緒だ。


「おかえり。ジルカ、ペリオス、ペリーナ」

『おかえり』

「ただいまである」「わうわう」「ぁぅ」

「ぴぃ~」


 すぐにペロが鼻を鳴らして両親に甘えに行く。


「シルヴァもよく来てくれた。毎日の往復で疲れないか?」

「気遣い感謝。疲れはせぬ。普段から縄張りの見回りで、この程度は歩いておるからな」

「さすがシルヴァだ」


 そんなことを話していると、

「む?」「も?」

 知らない何かが拠点へと入ってくる。嫌な気配はしない。


「あれは? ジルカかシルヴァの友達か?」


 それはまるで巨大なにわとりに見えた。


 体高一メートルほどあるにわとり二羽と体高三十センチぐらいの黄色いひよこが一羽。

 二羽とも、綺麗で真っ赤な鶏冠(とさか)をもち、一羽は全身が白く、一羽は赤茶色だ。


 白い方が鶏冠は立派だ。きっと雄鶏に違いない。


 にわとりと違うのは、尾羽のところから竜のような太くて長い尻尾が生えていることだ。


「紹介するのである! コカトリスの聖獣なのだ!」

「おお、よろしく頼む」

『よろしく』『たのむ』


 俺が右手を出し出すと、二羽のコカトリスは嘴でそっと触れてくれる。


「魔王種と戦った後、一緒に戦った聖獣は全員で五頭といっていたであろ?」

「そうだったね。たしか俺が目を覚ましたときには、もう子供を見に行っていたんだよな」


 ジルカは、拠点の場所を教えたからすぐに会えるだろうと言っていた。


「少し難産でなー。時間がかかったのだ」

「卵なのに難産とかあるのか?」

『ある。たまごがでてこないことも』『たまごからかえらないことも、ある』

「そっか。コカトリスの世界でも出産は大変なんだな」


 卵生は胎生より出産は楽だと思い込んでいた。

 どちらが楽かはともかく、どちらもリスクがあって大変なことなのは間違いないようだ。


「今回は卵から孵らない難産であるな。魔王種との戦いのせいでしばらく温められなかったゆえ」

『このこには』『くろうをさせた』


 茶色いコカトリスがひよこにそっと嘴を寄せる。


「ぴいぴぃ!」


 ひよこが嬉しそうに鳴いている。


「そっか、強い子だね。無事に孵って良かった。撫でてもいいかな?」

『もちろん』『かまわない』


 俺は両親に許可をもらって、ひよこを撫でた。

 ひよこは黄色くて、かわいらしく、それでいて羽毛は柔らかかった。


「ぴよぴよ」


 外の世界の小柄な鶏ぐらいの大きさだが、羽毛の柔らかさが確かにひよこだと主張している。


「ティルの拠点は瘴気がないであろう? だからひよこを保護してもらえぬか?」

『めんどうをかけるが』『どうかおねがいしたい』

「もちろんだ、歓迎するよ。ひよこだけでなく、コカトリスたちもここに住むといい」

『めいわくでは』『ない?』

「全然、迷惑じゃないよ」

『ありがとう』『たすかる』


 そういうと、コカトリスの夫婦は嘴でそっと触れてくれる。

 俺もどさくさに紛れて、コカトリスの首筋を優しく撫でておく。

 羽毛は少し硬めだが、さわり心地はよかった。

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