第61話
「なんでこうなったんだよ畜生め」
不満を漏らすのは森の中で斧を振るうマブト。
アダン達は木を切り倒していた。
「まあ、結果的に宿が手に入ったんだ。良しとしようぜ」
「割りに合いませんよ。隙見て逃げましょう」
アダン達は結果的にポールに対して金は払わなかった。
そもそも全員素寒貧で金などが無かったのだが……
『金がないなら代金分働いてもらうぞ!』
金がないとポールに訴えた結果、帰ってきた返答がこれだった。
仕事の内容は2日間、1日6本の木を切り倒せというものだ。
「倒れるぞー」
「おー」
「マブトの方向にー」
「てめぇえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
大きな音を立てて、太い樫の木は倒れた。
「おう、6本全部だな。よくやったなはっはっは!!」
切り倒された樫の木を見て満足そうに笑うポール。
「天秤が全然釣り合ってません。給金、食事、宿の提供を要求したいです。ポールさん」
木の価格とアダン達が取っていた枝とは全く釣り合っていない。
アダンはどうでも良かったが他の二人は不満が溜まっていた。
「給金は払わんが他のもんならくれてやる。アンタら旅の人間だろ?うちには保存のきく食料をそれなりにためてる。それを給金代わりにくれてやろう。どうだ?」
「いいでしょう。それで手をうちましょう」
「いや普通に金も欲しいけどな。馬鹿な俺でもわかるぞ。つり合いが取れてない」
ロレッタは納得したが、マブトはまだ納得していない。
「正直食料の方が手間なくていい」
と、アダンは言った。
「僕も食料の方が」
と、ロレッタが言った。
「お前等食いしん坊か……」
呆れたようにマブトが言った。
「にしてもお前等何者だ?成木6本をこんな短時間で切り倒す奴ら初めて見たぞ」
「ただの旅人さ」
「ほう……まあいいか。今日の分の仕事は終わりだ。俺の家に来い。飯出してやる」
「ものの見事にボロ屋だなあおい」
アダン達はポールの家に着いた。
だがそこは家と呼ぶにはあまりに酷い造りだ。
地面に穴を掘り木で壁を作り上に枝と土を被せて家にしている。
「ポール、アンタこんなところに住んでるのか?一人で」
不快感をあらわにしながらアダンはそう言った。
「まあな。だが一人じゃないぜ?」
「うん?」
そう言っていると家の中から誰かが顔を出した。
小さな少女だ。
「おじさん……この人たち誰?」
「コレット、お客さんだ。お金が無いし宿も無いって言うから泊めてやることになった」
(お客さん……ねぇ)
怯える少女……コレットをよそに3人は家の中に入っていった。




