第46話
「この方向で合ってるな?」
「……」
敵の馬車に乗せられ地図に載っている場所まで向かっている途中……
乗っているのは敵の司令官と護衛2名、そして革命党の代表としてアダンが一人。
手枷以外は特に目隠しもなく馬車の中から外の様子をしっかりと見て取れた。
(道を覚えといて、隙見て逃げるか)
「もう着きます」
「分かった。降りる準備をしろ。アダン」
「準備ね。じゃあ手枷外してくれ」
じゃらじゃら鳴る鎖と手枷を差し出すが、当然彼は外すつもりはない。
「地図にはただの館と表記されているが……はたしてどうかな」
「降りろ」
馬車から降ろされ歩かされるアダン。
場所は地図に書かれていた革命党が保有する土地のはずだったが……
「ここは……」
高い柵と背の高い木が何本も植えられたその場所は普通に見ればただの土地だ。
「入るぞ」
おそらく入り口であろう扉は完全に施錠されていた為無理やり壊して中に入る。
そして次の瞬間、目の前に広がっている光景に思わず目を見開いた。
「あ……」
「どうだアダン。我々の話を聞く気になったか?」
柵に包まれ大事に守られていたその場所、そこには大量の美しい赤い花が咲いていた。
注視しなくても彼には分かる。
あの花は……
「芥子……」
「これがお前達の商売だ。これがお前が守ろうとしていたものだ」
窒息しそうなほど大量に植えられたそれは紛れもなく阿片を作るための芥子。
この国において阿片は一部を除いて禁止されているはずの物。
そんなものが一面に広がっている。
「ありえない!!こんなの……お前たちが総統を捕まえるために仕組んだことだろう!?」
目の前の光景が信じられず、司令官に向かって叫んだ。
「他にもみせるか?証拠なら山ほどある」
「……」
「賄賂、薬、人身売買、殺人。大概の罪は犯してるな。ああそうだ。お前は確か孤児院出身だったな。革命党が運営していた」
「それがどうした」
「そこに預けられた子供がどうなったか教えてやろうか?貴族の変態共の慰み者になった者もいれば阿片の生産に駆り出されている者もいるぞ。なんならその子に会わせてやろうか?」
自然と涙があふれた。
こんなものを守るために自分は戦っていたのか?
自分は一体どれだけの人間を手にかけたのか?
考え出したら止まらなかった。
「……なあ、頼みがあるんだ」
「なんだ?」
「総統の正確な居場所は俺には分からない。だが検討はつく」
「ほう?」
「俺に行かせてくれ。必ず殺す」
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