第42話
「俺達が薬の番人と呼ばれるようになったのは3年前。とある森の中の戦いからだ」
食事の手を止め、バレリオが話をし始める。
マブトがちらりとアダンを見るが彼はどこか……虚空を見ているようだった。
「俺たちが属していた組織の名前だが正式名称はなかった。だが周りからはこう呼ばれていた『革命党』と」
「革命党?」
「文字通り革命を起こしたいってやつらの集まりだ。国の在り方に不満がある連中が集まって国家転覆を狙ってた」
「それは……」
「言っとくがかなり人気があった。特に貧乏人にはな。当時は貴族も王様も自分たちの事しか考えないような政治ばかりしてたからな」
3年前……
アダン達は森の中にある革命党の拠点で仕事をしていた。
当時彼らが拠点としていたのは放棄された廃城、崩れかかっている場所などは彼らの手で補修され、周囲の森の至る所には罠がしかけられ拠点は強固な要塞と化していた。
「大変だ!軍が向かってきてる!!総統を逃がせ!!」
そんな中一人の仲間が大声で伝令を伝えに来た。
血まみれで背には既に息絶えた仲間を背負いながら。
「数は!?」
「およそ3千!!守衛はやられた!!」
「これは、どうするアダン」
廃城にいる戦力は2百余り、3千もの敵を前にこれではまず相手にならないだろう。
その場に居る誰もが目を見開き絶望した。
「バレリオ、親衛隊を何人かつけて総統を逃がせ。俺たちは……」
「戦うのか?」
「勿論だ。俺たちの希望をこんな場所で消えさせてたまるか」
その場にいた誰もが総統を逃がせと言っていた。
指導者がいればまだ組織を存続させられる、そう考えてのことだ。
その結果がどんなものかも知らず。
「ヘルガ、先鋒を任せていいか?」
「ええ」
のちに薬の番人と呼ばれるようになる人間が全員そこにいた。
アダンを筆頭にバレリオ、ヘルガ、そして……
「俺はどうしたら?師匠」
「私も手伝います」
アダンの弟子だった男女、シーロとロレッタ。
「総統は地下を通っていかせろ!バレリオはここの防衛だ、ここに総統が居るように見せるんだ」
「おう」
拠点となる廃城の地下には大昔に作られたであろう手掘りの地下水道が張り巡らされていた。
まるで迷宮のようなそれはいくつかの通路が外へと続いている。
アダンはそこから総統を脱出させようとした。
「ヘルガはある程度こっちに敵が近づいてきたら奇襲をかけろ。シーロとロレッタは俺と来い!行くぞ」
「勝とうぜ!!」
「訓練の成果を見せてやれ!!」
周囲に居た仲間が叫ぶ、戦いの火蓋が切って落とされた。
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