表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
31/33

ゲームの中

「だから、この世界はゲームの中なんだから序盤は王都で主要キャラと知り合いになってイロイロと攻略するのが1番効率良いんだって!」

私の耳にそんな言葉が聞こえてきたのは、今日も今日とて王都を見回りしていた時だった。

今日は果物通りのカフェが特製フルーツタルトを出す日だとかは全然関係ない。


「兄貴ぃ。なんかヤバいヤツいますぜ?」

駄馬はお黙りっ!見なかった事にしてさっさと果物通りに行きなさいっ!


「あっ!あの紋章っ!ちょっとそこの馬車止まってくれよっ!使徒様だろっ!」

駄馬がゆっくり歩いたせいで、そんな言葉が外から聞こえる。

リファがコチラを見ながらいかがしますか?と問いかけてくる。

声を高らかに「無視で。」と言いたいが、大声バカのせいでちらほらと、使徒様か?と多数の声が聞こえる。此処で無視したと後でミリーにバレたらだいぶ不味い。


仕方なくリファに頷き馬車を停めさせ外へと出る。

そこには青髪の少年とオレンジ髪の少女、そして白髪のエルフの青年がいた。

私は彼らに一礼して挨拶をする。

「異世界審問官ルカと申します。何処かでお会いしましたでしょうか?」

私の言葉に青髪の少年が代表して挨拶する。

「俺はラッツ。コイツがオルカでエルフのおっさんがイワンだ。」

……

うん。で?

え?呼び止めといて何もないの?

え?ぶん殴るよ?


私が何も言わないのを不審に思ったのか青髪は首を捻っている。

「あれ?おかしいな。初見で鑑定されて勇者だとバレて物語が進むんだけどな。」


私が更に黙っていると、オレンジ髪が青髪に声を掛ける。

「ほら、やっぱり違うんだよ。これ以上は迷惑になっちゃうよ?もう帰ろうよ。」

うん。うん。森へお帰り。

「もし何も無い様でしたら失礼しますね。この後少し予定がありまして。」

私は忙しいのに用事無いなら止めてんじゃねぇと丁寧に告げながら馬車へと戻る。

ゲーム転生異世界人か。めんどくさいから放っておこう。


後ろで、あっ!ちょっととか聞こえるが気にしない。

呼び止めて挨拶だけとか意味不明だ。

使徒様はそんなに簡単に会えないのだ。


彼らの戸惑いを聞きながらも馬車を進めてもらう。

「何だったんですかねぇ?」

お付きのリファが聞いてくる。まぁだいたい予想はつくけど。

「さぁ?顔見知りとかでは無かったね。」

「兄貴ぃ。ありゃゲームの世界だと思ってる異世界人だぜ。」

うっさい駄馬。わかっとるわ。

「ゲームですかぁ?異世界人の方だったらご主人様に何かあったんじゃ無いんですかぁ?」

そうだねリファ。でも私、挨拶されただけだから。

「そう?でも名前も教えて貰えたからもう充分なんじゃないかな?」

挨拶されて無言だったらから他に用件は無いだろ。

そもそも、呼び止めて名前告げて無言て。

童貞か?女子の前で緊張して喋れない童貞か?

もうちょっと会話の練習してから使徒に挑んでこい。

いや、来なくていいけど。


そんな事を会話しつつ果物通りへと進む。

駄馬よ。真っ直ぐ歩きなさい。牝馬のほうにいくんじゃない。酔うだろうが。


果物通りのカフェのタルトは絶品だった。流石に特製と銘打っているだけの事はある。とっても美味しかったです。まだまだ時間があったので南区の方まで足を伸ばしてみる。たまには駄馬も運動したいだろう。


訪れた南区の門近くは多くの人でごった返していた。やはり街道の主要となる場所だ。多種多様な人達の活気に溢れている。

王都に到着して直ぐに露天をやる者、出発の為にもう一品買っていく者、そんな人達のが集まり賑わう露天や店舗を馬車の窓から眺めながら進む。


そうやって進んでいると、駄馬を仕入れた馬屋の前へと来ていた。

あの健気な少女は元気だろうかと思い窓からチラと見ると、そこには青髪、オレンジ髪、白髮の3人組がいた。

うん。何か見たなあの組み合わせ。


「此処には名馬がいるんだっ!こいつが居ると居ないとでは全然探索スピードが違うんだよっ!」

青髪は性懲りもなく喋っていた。

「でもそんなお金使ったらこの先大変だよ?」

現実派のオレンジ髪が言う。うんうん。お金は大事だよ。

「でも、此処にいる名馬は異世界の知識も持ち合わせてるんだっ!名前も前の世界で強かった馬にあやかったヤツでさ!多少無理してでも仲間にしないと、先のイベントできついんだよ。」

青髪は必死である。

うんうん。強い馬の名前を貰うのは良くあるよね。


「あのぉ。ご主人様ぁ。あの方達が仰っている馬とはディープの事ではぁ?」

ん?ディープ?リファの知り合い?

「兄貴ぃ。俺っちの名前でさぁ。」

なんだ駄馬。そんな名前だったっけ?

「リファ。売値の交渉をしてきなさい。」

うん。売ろう。必要としてくれるトコへ行きなさい駄馬よ。

君はもう自由だよ。


そんな私の親切心を無碍にして、駄馬は「売られるのイヤっす!」といいながら駆け足で屋敷へと帰宅する。何なんだよ。望んでくれてるトコが良いだろ?何なのM名なの?ドM馬なの?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ