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東区冒険者ギルド

黄緑のカエル衣装で雨の王都を馬車で移動する。

何故か付いてきてニコニコしているリファと先ほどから笑いを堪えているゴリラ。

おい。ゴリラ腹立つな。丸刈りにしてやろうか。

ミリーさんがコレだといったらコレなんだよ。

お前に悪魔憑き倒せるのか?倒せないだろうが。エクソシスト連れてこいや。


私がぐちぐちと不満を露わにしている間にも馬車は進む。

あとリファがさっきから靴濡れませんかぁ、靴ありますよぉとずっと聞いてくる。

だが私は知っている。

彼女が持ってきている代わりの靴が真っ黄色なのを。

しかも踏んだらプェッとなるやつだと。

流石にそれは遠慮したい。


東区冒険者ギルドは雨なのに予想以上に人が多かった。

おそらく今日の登録試験を見に来た冒険者だろう。Sランク登録など大口叩くヤツがどんなもんか気になる気持ちはわかる。

わかるが、今日は止めてほしかった。私黄緑なので。


冒険者ギルドに入る為にフードを取ろうとしたらリファに阻止された。いやなんでだよ。室内だからフード脱ぐでしょ?えっ?駄目なの?

そんな攻防をしていると、ゴリラが大きな声を出す。

「西区冒険者ギルドのディランだっ!ルッカはいるかっ!使徒様をお連れしたぞっ!」

室内に響いた声は多くの冒険者達の視線を集める事に成功した。


馬鹿なの?馬鹿ゴリラなの?

私黄緑だって知ってるよね?ゴリラの剥製にしてやろうか。

私も使徒様が来たの?って感じでキョロキョロしとこう。


「使徒様?」「何処だ?」「なんで子供?」「メイドがいる。」「カエルが…」「あのメイドが使徒様?」

ざわざわと冒険者ギルドが喧騒に包まれる。

きっと馬車から登場するであろう使徒様にみんな興味津々のようだ。

よし。このまま応接室まで一直線だ。カエルが使徒様だとバレる前に移動するのだ。


「使徒様っ!」

ざわざわとしている冒険者ギルド内でそう告げた彼女は私の前で跪く。

「使徒様。御尊顔を拝し恐悦至極でございます。」

そう言った彼女は水色の神官服を身に纏い私に祈りを捧げていた。

うん。一発でバレたね。何なの?君もゴリラなの?


「使徒様?あれが?」「カエルだよな?」「可愛い。」「えっ!?使徒様ってカエルなの?」「小さい。」

そんなざわざわから困惑に変わったギルド内で相変わらず祈りを捧げている彼女に声をかける。

バレてるんなら仕方ない。使徒様オーラ全開だ。黄緑だけど。


「ネフィア。お久しぶりですね。隊の皆はお元気ですか?」

「はいっ!使徒様っ!微力ながら日々神の教えと救済を届けております。今回は登録試験に使徒様がご降臨されるとの事で私が隊を代表して参りました。」

水色の神官服。

その神官服を身に纏う彼女達は神殿に所属し、神の教えと救済を各地に広げる宣教師達だ。

温和な見た目、話し方に騙されてはいけない。各々が一騎当千の強者であり、教えと救済の為ならば武力行使も厭わない物理系神官達なのだ。脳筋神官である。

「貴方達の行いは神にも届いていることでしょう。さぁお立ちなさい、ココでは皆様のお邪魔になってしまいます。」そう告げると彼女はスッと立ち上がり頭を下げる。


「おい戦狂師が頭下げてるならあれが使徒様か?」「戦狂師が人の指示に従うだと!?」

何やら微妙に字面が違う気がするが気にしてもしかたない。宣教師は脳筋の隊なのでAランク帯がゴロゴロいるのだ。

ざわざわから困惑、さらに驚愕へと変化した冒険者ギルド内を誰がどう収集するのかとぼんやりしているとカウンターから人が近づいてくる。因みにゴリラはとっくにカウンターの前に陣取っている。


ギルドの制服を来たその人は私の前で頭を下げる。

「使徒様。ようこそ東区冒険者ギルドへ。東区冒険者ギルド職員ルッカと申します。」

やっぱりあれが使徒様、カエル可愛い、あれが戦狂師の長か。等など色々なざわめきの中を通り応接室へと案内される。


応接室へと案内され、中には私、リファ、ゴリラ、ルッカ、そしてネフィアがいた。

「改めまして使徒様。ようこそ東区冒険者ギルドへ。今回は私共の要請に応じていただきありがとうごさいます。」

「いえいえ。私としましても、東区冒険者ギルドとの関わりは必要でしたので。」

「そういって頂けると幸いです。」

「それで今回は異世界人かどうかわからないとの事でしたが…」

「そうなのです。今回の新規登録者なのですが、自分には神の加護と神託があり最強だからSランク登録でギルドカードを作れと受付で…」

加護と神託。うーん。異世界人でなくとも神託は無いことも無いが、加護となると異世界人かもしれない。加護は転移、転生でテンプレで付いてるものだ。加護付けときゃイイと思ってるからな異世界人も神も。


「確かにそれだけでは判断しにくいかもしれませんね。しかし現状では異世界審問官の私が出る幕ではありません。異世界審問官は異世界人とのいざこざを解決する為に指針、裁定を下す役割ですので。」

「それは承知しております。我々東区冒険者ギルドは海洋系の依頼が多く尚且つ西区や南区の冒険者ギルドより使徒様との関わりが薄い為に今回ご助言いただけたらと思っております。我々には異世界人を判断出来る知識が不足しているのが現状でして…」

そう言うと職員さんは困ったような表情をする。確かに異世界人だとわかっていたら無用ないざこざも避けれるからな。

「その新規登録者は黒目黒髪でしたか?」

異世界人だと大体黒目黒髪だ。まぁ違う事もあるけど。黒目黒髪のヤツは大体異世界ヒャッホーだ。西洋風の異世界人はまともなのが多い。もちろん私の偏見だ。

「いや、黒いのは黒いのですが……」

言いにくそうな職員さん。

「いや……その……」


「シャチなんです……」

……


シャチっ!!!!



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