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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十二章

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詐欺師の目的は7

「あなたがユディットもどきですか」


「なっ……」


「本物の方がいくらか整った顔をしていますね」


「グッ!」


「……後ろにもいるぞ!」


 戦いの気配を感じ取ったニノサンが真っ先に動いた。

 ジケたちから遠い方、つまりは回り込んでいたニノサンたちに近い方にいた偽ユディットに襲いかかっていた。


 小太りでなんだか性格の悪そうなユディットもどきは、似ているか聞かれたら似ていないとジケは答える。

 共通点といえば髪型だけは奇跡的に一致しているぐらいだった。


 偽フィオス商会はジケから見ると笑えるほど偽物だった。


「少なくとも強さは比較にならないな」


 偽ユディットがニノサンに殴り飛ばされてぶっ飛んでいく。

 全く対応すらできていないところに見るに、強くもなさそうだった。


「逃げず、大人しく、そこにいてください。そうすれば手は出しませんよ」


 偽リアーネと偽ジケも剣のようなものは腰に身につけているのだけど、偽ユディットがやられて抱き合うようにして戦意喪失していた。


「ちょっと情けなくなってきたな……」


 抵抗しない方がいいのだけど、自分たちの偽物がああもなんの抵抗もせずにいるのは目も当てられない気持ちになる。

 よくそんなんで詐欺して回っていたなと思ってしまう。


「んにゃろーめ!」


 対して馬車を持ってきた方の男たちはそこそこやるようだ。

 流石にリアーネには敵わないようであるが、戦意喪失することもなく抵抗を見せる。


「ジケ、危ない!」


「死ね、クソガキが!」


「おっと、俺だってちょっとは怒ってんだよ!」


 ジケは剣をかわして、相手の足を斬りつける。

 話を聞きたいところはあるので、なるべく殺さずに制圧を試みる。


 ただしこんなことしておいて怪我をさせないとまでは優しくもない。


「くそっ……てめえら何なんだ!」


 相手の方が人数は多かったものの、ジケたちの方が強かった。

 最後に残されたのは言い争いをしていた男で、その前にはリアーネが立ちはだかっている。


「今度同じようなことやんならよぅ……名前使う相手のことぐらいちゃんと調べた方がいいぜ!」


 リアーネが剣を振り下ろす。

 デカい、というのはリアーネのことを調べた時に上がってくる特徴の一つである。


 しかしデカいというだけでヒョロヒョロの高身長女を自分役に当てがわれるのは、リアーネも納得いっていない。


「この……デカ女!」


「るせぇ、この!」


 激しい攻めに男が悪態をつき、リアーネはさらに怒りを燃やす。


「なにっ……」


 男の剣が折れて飛んでいく。

 リアーネの攻撃に耐えられなかった。


「色々聞きたいから殺しはしねえよ!」


 リアーネが男の顔面に拳を突き立てた。

 一瞬男の顔がへこんだように見えるほど強力なパンチ。


 男は縦に転がりながら飛んでいき、岩にぶつかってようやく止まった。


「ちょっとはスッキリした?」


「うんにゃ、ぜーんぜん」


 リアーネは男を殴った手をプラプラとさせて渋い顔をしている。

 苦戦は望まないが、こんだけ苦労させられたにしてはあっさり終わってしまった感じも否めなかった。


 ゲルシトンもメクシトロが推薦するだけはあって、ちゃんと戦えていた。


「ピコちゃんさんじょー!」


「ミュコちゃんも参上!」


 ジケが合図を送るとジョーリオが引く馬車でピコとミュコも合流する。


「怪我なーし!」


「エニちゃん出番なーし!」


「くすぐったいぞ」


「まあ、出番無しならその方がいいもんね」


 ピコとミュコでジケの体をチェックする。

 もちろん怪我なんかしていないし、怪我がなければエニがすることもない。


「彼らはドカナイ人ですね。しかも……戦士です」


 倒した男たちはジョーリオの糸で縛りつける。

 男たちの胸元からチラリと刺青のようなものが見える。


 それはドカナイの戦士が入れる刺青だった。

 ドカナイの方から来ていたし、ドカナイの人であることは分かっていた。


 しかしドカナイの戦士はただの一般人ではない。

 言ってしまえば貴族の騎士や国の兵士のようなものである。


「かなり怪しい……おじい様が疑っていましたが、本当に何か大きな裏があるかもしれませんね」


「……とりあえず、話聞いてみましょうか」


 この時点で詐欺行為をドカナイが国、あるいは貴族レベルで支援していたことはほぼ確定である。

 ただの犯罪組織というわけじゃなそう。


「どうも」


 偽ジケと偽リアーネは抵抗しなかったので、軽く手を縛られるだけに留まっている。

 ジケが声をかけると、二人はビクッと体を震わせる。


「俺が本物のフィオス商会のジケ」


「……あ、あなたが……」


 偽ジケは背としてはジケより少し高いが体つきは細い。

 歳は同じか少し上ぐらい。


 ジケを見上げる目には恐怖が見てとれた。


「これが本物のスライムだけど……君の魔獣は…………なに?」


 偽ジケがスライムを連れているかもしれない。

 そんな期待をしていたのだけど、どうにもスライムじゃなさそう。


「その子は……僕の魔獣……ボムロックのアートス、を青く塗ったんだ……」


 偽ジケの横に転がる青いものは魔物だった。

 ちょっと転がってみると顔がある。


 岩の魔物に、色を塗ってスライムと押し通していたらしい。

 フィオスがアートスの前でピョンピョンと跳ねると、アートスもズシンズシンと跳ねる。

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