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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十二章

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詐欺師の目的は6

「いくぞ、みんな! 怪しい連中を追跡だ!」


 ピコの勘はバカにできない。

 ジケたちはピコの音頭で怪しい集団を追いかけ始める。


 怪しい連中は十人ほどいる。

 ガッタガタの馬車には人が乗っていないように見えた。


「距離を取って、怪しまれないように気をつけてね」


「了解です」


 馬車に乗って道を後ろから尾行するのだから、よほど距離を空けない限りバレないなんて不可能だ。

 この際一定の距離を空けて堂々とついていく方が怪しまれないだろう。


 あたかもたまたま同じ道を走ってますよ、という顔をしてゆっくりと尾行する。


「止まったね」


「バレた?」


 ミュコとピコでひっそり窓から覗く。

 怪しい連中は道端に避けて止まった。


 尾行がバレたのかとドキドキしながらそのまま横を通り過ぎていく。


「……あっ、ジケ、あれ!」


 ジロリと睨まれるように見られているが、尾行していたとはバレていなさそう。

 怪しい連中の近くには大きな岩があった。


 通り過ぎる瞬間、岩陰から人が出てきた。

 チラリと見えたその人は青い何かを抱えていたように、エニは見えていたのだった。


「ああ、誰かいたな」


 ジケは席に深く腰かけたまま、少し険しい顔をしていた。


「岩のところにいた奴らは三人。一人は何か抱えてたな」


 魔力感知でジケもエニが見た相手のことを確認していた。

 怪しまれないように馬車が離れながらだったので確認できた時間は短かった。


 しかし岩陰にいたのは三人。

 そしてそのうちの一人は何かを抱えていた。


「やっぱりそれって……」


「ああ、当たりみたいだな」


 岩陰にいた三人組は、例の詐欺師かもしれない。


「ユディット、もう少し行ったら馬車を止めよう」


「了解です」


「ゲルシトンさん、バハナイさん」


 ジケは窓からゲルシトンとバハナイを呼び寄せる。


「彼らが怪しいです。ちょっと話を聞いてみようと思います」


「分かりました」


 ゲルシトンは力強く頷く。

 ジケたちは馬車を止めて降りる。


「ミュコとピコは馬車を頼むぞ」


 戦いになる可能性も高い。

 万が一のこともあるのでミュコとピコはお留守番をしてもらう。


 一応馬車を引くためのジョーリオもそのまま残すので、いざとなればジョーリオがなんとかしてくれる。


「気をつけてね、ジケ!」


「悪者退治だ!」


「おう、行ってくるよ」


 道を堂々と戻ると流石にすぐにバレる。

 ジケたちは道から逸れて、何か話している怪しい連中に見えにくいように岩に隠れるようにしながら近づいていく。


「もう少しだ。まだ続けろ!」


「でも、もう限界ですよ!」


 コソコソと岩陰までやってきた。

 岩の向こうでは何か言い争うような声が聞こえてくる。


「詐欺の話も出回ってきてる。この間は疑われて人まで傷つけてしまったんですよ」


「だからなんだ? 今更辞めるつもりか?」


「もう十分じゃないですか? 馬車だってだんだん作りが雑になってきて、騙すのも大変なんですよ!」


「…………確定っぽいな」


 詐欺をしている内容の話が聞こえてきた。

 こうなるともうほぼ間違いない。


「ニノサンとゲルシトンさん、バハナイさんは向こうから。俺たちはこっちから挟み撃ちにしよう」


 逃がさないように岩を左右から回り込んで、詐欺師を挟み撃ちにする。


「ここで辞めるというなら……相応の覚悟はあるんだろうな!」


「おいっ!」


 少し不穏な空気の詐欺師たちの前にジケが姿を現す。


「……なんだお前ら!」


 馬車を率いていた方の言い争っていた男が怪訝そうな顔をしてジケのことを見る。


「俺か? これ見ても分かんない?」


 ジケは手に持ったフィオスをずいっと前に出す。


「あっ……」


 青い何かを持った少年がハッとした顔をする。

 顔はジケとも全く似ていないが、一応ちゃんと子供であった。


「スライム? それがどうした?」


 ただ言い争っていた男はフィオスを見ても、何も気づいていないようだった。


「俺はフィオス商会のジケ。あんたたちが俺の名前騙って詐欺働いてるらしいな!」


「……なに?」


 男が眉をひそめる。


「いい加減人の商会の名前勝手に使うのやめてもらおうかな?」


「……チッ! まさかわざわざこんなところまでやってきたのか?」


 男はようやくジケたちの正体に気づく。

 遠く離れた地の名前だけ広まってる小さい商会なんか、詐欺事件に首を突っ込まないだろうと男は思っていた。


 しかしジケはわざわざ他国にまできて、詐欺師の背中に追いついたのだ。

 今回の人生では行動力の塊のようになっているジケのことを甘く見ていた方が悪い。


「大人しく捕まれ。そうしたら悪いようにはしない」


「……あれ私かよ?」


 ジケが男と睨み合う間、リアーネは自分を騙っていた相手を見て少ししょんぼりしていた。

 背の高い女とは聞いていたが、それだけの相手。


 細くてヒョロヒョロとして、なんだか少し性格の悪そうな女が少年の横にいた。

 これが自分だと思うと悲しさすら感じる。


「……やっちまえ!」


 平和的に話し合いで終わる。

 そんなことはありえないだろうとジケも思っていた。


 特に言い訳をすることもなく、男たちは剣を抜く。


「こうなるのか……」


「はっ! 分かりやすくていいな」


 大人しく捕まられたらそれもつまらない。

 リアーネはイカつい笑顔を浮かべて剣先を男たちに向けた。

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― 新着の感想 ―
>ジケたちはピコの音頭で怪しい集団を追いかけ始める。 ピコちゃん音頭踊りながら追いかけてるのかと勘違いしちゃったwどっちが怪しい集団なんだw
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