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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十二章

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詐欺師の目的は2

「フィオス商会を騙る詐欺師……お調べいたしました」


「何かわかったんですか?」


 シュトレイブルは思っていたよりも早く調べてくれたようだった。


「流石に我々の領内では詐欺を働こうとしていたことはないようですが、イルヒッコク内ではいくつか詐欺、及び詐欺未遂を働いているようでした」


「……そうですか」


 やはりジケたちの耳に届かないような被害者もいるようで、思わず眉をひそめてしまう。

 未遂ということは声をかけらたけれど、騙されなかったような人もいるらしい。


「中でも今回……詐欺師たちは明らかに過ちを犯しました」


「過ち? 何をしたんですか?」


「……騙し損ねた相手に襲いかかり、お金を強奪して逃げたんです。フィオス商会……その名前を聞いて我々のところに乗り込んできた者がいました」


 ここまで詐欺師たちは相手を騙して馬車を売りつけるということしかしてこなかった。

 しかし騙されなかった相手を攻撃してお金を奪うという、全く性質の違う犯罪にまで手を出していた。


「それは、ご迷惑をおかけしました……」


「いえいえ。本物のフィオス商会が悪いわけじゃありませんから」


「襲われた相手は大丈夫なのですか?」


「腕を斬られたようですが、命に別状はないようです。そして……今は詐欺師の行方を捜索しています」


 少し事態に進展がありそうな雰囲気が出てきた。


「詐欺師が事件を起こしたのはイルヒッコクのエムダス。ここから見ると国の真逆の位置にある領地です。相手は馬車を捨てて徒歩で逃げ、追跡していたようなのですが見失ってしまったようです」


「だから匿ってる……とでも思って乗り込んできたんですね」


 ジケは思わず苦笑いを浮かべてしまう。

 事態は意外と複雑だ。


 詐欺師が強行的な手段に出て怪我人まで出た。

 その怒りの矛先はフィオス商会に向いている。


 そのせいでシュトレイブルにも迷惑がかかってしまっているのだから、申し訳なさも感じてしまう。


「ひとまず我々から説明をいたしました。納得はしていただき、詐欺師の追跡も引き継ぐことになりました」


「何もかもありがとうございます」


「息子、そして孫の教育を誤ったのは私の責任でもあります。これぐらいのことではまだかけたご迷惑を返せるとは思っておりません」


 メクシトロも非常に高潔な人物である。

 おバカには是非とも見習ってほしいとジケは思う。



「それに……見過ごせない問題でもあるかもしれません」


「と、言いますと?」


 メクシトロがどうして詐欺師を見過ごせないのか、ジケは少し不思議である。


「ドカナイが関係しているのだとしたら、我々シュトレイブルに関係する可能性も高い。なぜドカナイ人がそんな詐欺をしているのか……理由が気になりますね」


 メクシトロの目つきが鋭くなる。

 ヘスイトスには劣るものの、メクシトロも歴戦の戦士である。


 そんなメクシトロが何かを感じている。

 単なる詐欺事件じゃない感じがプンプンとしてきて嫌だなとジケは思う。


「ドカナイへの国境線がシュトレイブルが見張っています。イルヒッコクからドカナイへ抜けていくのはかなり厳しいと言わざるを得ません」


 ジケの嫌な予感をよそにメクシトロは話を続ける。


「別の国は抜けて、そこからドカナイへ。これが確実でしょう。ただルートは複数あります」


 メクシトロが地図を取り出して広げる。

 なんだかガンガン話が進んでいく。


 フィオスはそんな小難しい話なんて知らないというように、お茶と菓子を体の中でクルクル回して食べていた。


「私の予想では……北のルエンを通ると思います。遠回りにはなりますが、ルエンはドカナイとの関係は悪くなく国境の警戒は薄い」


 イルヒッコクは東の国境をドカナイと接している。

 人を傷つけてお金を強奪した詐欺師がドカナイに逃げる時、警戒されているイルヒッコクの東の国境線を超えて逃げるとは考えにくい。


 となると、イルヒッコクの北か南の国からドカナイに抜けていくことが予想される。

 メクシトロの予想ではルエンという北の国らしい。


「こう予想するのにはもう一つ理由があります。詐欺の話を調査していたのですが、ルエン周辺での話は少ないのです」


 地理的な状況だけでメクシトロは憶測を口にしない。

 他にも補強するような理由がある。


 偽物の馬車を売りつけられたという話は、調べてみると意外にあった。

 お祭りでたまたま人が集まっていたので、情報を集めるのにも大きな苦労はなかった。


 南の国でも馬車詐欺は起きている。

 にも関わらず北のルエンではそんな話がなかった。


「まだターゲットにされてないのか……」


「それとも詐欺師たちがドカナイへの道として疑われる行為を避けているか、です」


「うーん、なるほど」


 まだ確実と言えることはないのだけど、何も分からなかった状態からすれば大きな前進である。


「先ほども言いましたがルエンを通るのはかなり遠回りとなります。ルエンを通っているとしたら……今から追いかけても捕まえられる可能性は十分にあります」


 もしかしたら詐欺師の背中が見えてきたかもしれない。

 そんな予感もしてきた。

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