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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十二章

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舞台の上の決闘2

「代理決闘じゃなくていいのか?」


「構わないよ」


 本人に戦う能力がなければ、代わりに誰かに戦ってもらうことも時にはある。

 クリストフは明らかに年下のジケのことを甘く見ていた。


 ジケの代わりにニノサンでもいいと言い放ったりしているが、ジケを馬鹿にされて内心怒っているニノサンを投入したらクリストフは決闘の事故という形で葬られてしまうことだろう。

 ただジケも誰かに任せるなんてことはしない。


 伸び切った鼻を自ら叩き折ってやる気でいる。


「決闘の条件を改めて確認しておくぞ。俺が勝ったらミュコに近づくな。それとこんな勝手なことした責任はヘスイトスさんとメクシトロさんと話し合って決めるからな」


「いいさ。その代わり俺が勝ったら君こそ彼女から離れるんだ。歌劇団とも交渉させてもらうよ」


 酒場の殴り合いの決闘はその場で行われる。

 普通の決闘なら条件決めて、日程を決めてと段階を置くけれど、今回はサッと互いに条件を決めて、サッと決闘することになった。


 互いの条件は簡単だ。

 ミュコに近づくなというものである。


 クリストフはジケさえいなければ丸く収まるとでも思っているらしい。

 加えて引き抜きの交渉をしたければすればいいということも付け加えてある。


 ここでポイントなのは別にクリストフが勝ったところでミュコがクリストフのものになるわけではないし、歌劇団も交渉できるのみであるというところだ。

 当人同士での条件交渉で、もうすでにクリストフは上手く丸め込まれていることに気づいていない。


 もはや一敗している。


「……ねぇ、何でこんなことになってるの?」


「知らない」


「ピコちゃんには見えます……ジケ君勝利であのアホタレはすごく怒られるぅ」


 一方で急に決闘の理由となってしまったミュコは困惑しきりだ。

 ミュコに近づくな、というのが決闘の内容になるが、別にミュコ本人は全く関与していない。


「ミュコちゃんを取り合う二人……うーん、巷で噂の恋愛小説みたいだね!」


「別に私はそんなの望んでないんだけど……」


「ジケ君がミュコちゃんのために戦ってくれるのに?」


「えっ? うん、まあ、それは……嬉しい、かな?」


 細かな経緯は知らないが、ジケがミュコのために戦おうとしてくれていることは分かる。

 そう考えると嬉しいところはある。


 ジケならば本当に決闘しなくても、事態を上手く丸めることができるだろうとミュコも思う。

 それでも決闘するならば引けない事情があったのだ。


 ミュコのためにも引かない。

 そんなふうに考えるとミュコも顔が熱くなる思いだった。


「何にしてもピコちゃんはジケ君を応援するよ! 頑張れ、ジケ君!」


「あ、ジケ! 頑張って!」


「頑張れー」


 エニだけちょっと熱量低めなものの、クリストフがいけすかない奴であることは分かるので応援する。


「……相変わらず人気なようで」


「こんなふうに力で女の子を手に入れようとしないからかな?」


 決闘をする敵な以上、ジケの口撃も鋭くなる。

 ジケの言葉にクリストフは睨みつけるような目つきになる。


「互いに用意はいいですか?」


 メクシトロが舞台の上に上がってきた。

 今回戦いの舞台となるのは、文字通り舞台。


 劇場のステージの上なのである。

 ケリステンが決闘を隠したがったので、こうした場所になってしまったのだ。


 メクシトロが審判を務める。


「このような場所なので、魔法は禁止。魔獣も……」


「はっ、彼が連れてるのはスライムだ! 俺はともかく彼はいいだろう!」


 ジケはフィオスを抱えている。

 クリストフはジケのみならず、フィオスまで馬鹿にする。


「…………どうしますか?」


「じゃあウチの子も一緒に戦います」


 内心ムカムカするけれど、ジケは笑顔を浮かべてクリストフの提案を受け入れる。

 スライムがいても何ともならない。


 そう思うのは勝手だけど、スライムを舐めて痛い目に遭った人は山ほどいる。


「……油断すればいいさ」


 ジケにとってフィオスと戦えることは都合が良い。

 クリストフから提案してくれるのなら、受け入れない手はないのだ。


「それでは始めますよ。………………始め!」


 メクシトロが高く上げた手を振り下ろす。

 クリストフの目つきが変わり、始まりの合図とともに一気にジケに迫る。


「ふっ、これで終わるわけじゃなくて安心したぞ」


 開始早々のクリストフの一撃。

 ジケは片手でフィオスを持ちながら、もう片方の手に持った剣で受け止めた。


 お試しの一撃は軽いものだった。

 しかしジケよりも年が上で体格のいいクリストフの方が力は強い。


 正面から攻撃を受けるのは大変だなとジケは思った。

 ただ別に力が強くても構わない。


「はぁっ!」


 クリストフが剣を振り回す。

 素早く鋭いクリストフの剣は確かに素人のものではない。


 ドカナイとの小競り合いに参加して、経験を積んでいるだけのことはある。

 しかしジケも負けてはいない。


 魔力感知も駆使してクリストフの動きを細かく観察する。

 剣を右に振って少しバランスが崩れたから足を前に出す。


 そのまま突きに転じて、体を捻じるようにして剣を振り上げる。

 ジケは目線、体の動き、そしてジケ自身の動きも使ってクリストフの動きを予測してかわす。

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