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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十二章

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決闘を申し込む!6

「あいつ……近くにいやがるな……」


 過去のミュコにあったことを思えば大丈夫だろうと楽観視もできない。

 多分シュトレイブルが過去にミュコを追い詰めた貴族ではないが、誰が加害者になってしまうのか分からないものである。


 そのためにイルヒッコクの滞在を延長して、歌劇団にトラブルがないように備えることにした。

 言ってしまえばミュコのそばにいてやるということだ。


 護衛たちも動員して、ミュコが一人になるような時間は作らない。

 ジケもそばにいるのだけど、魔力感知で周りを警戒しているとクリストフらしき奴が近くをウロウロしていることがある。


 ただシュトレイブルが統治する領内でクリストフがうろついていても文句は言えない。


「ストーカーいるのかな?」


「今はだいぶ遠いけどな」


「じゃー……こうしよっか」


「ミュコ?」


「ふふ、私はジケのものだよ?」


 何人かの歌劇団のメンバーと共に劇場へ移動している最中も遠くにクリストフの姿がある。

 おそらくクリストフの方は、ジケが勘付いていることに気づいていない。


 ミュコにも一応警戒してもらうために伝えている。

 時に演技に惚れ込んでしまうストーカーは発生してしまうことがある。


 警戒はするものの、あまり怖がっていて体が持たない。

 むしろミュコはジケが心配してくれることを喜んでいるぐらいだった。


 なんならストーカーに見せてつけてやると、ジケの腕に自分の腕を絡ませる。

 ニージャッドがやや渋い顔をしているが、実際ジケならば相手と悪くないとは思っているので言葉を飲み込んでいる。


 文句を言ってミュコに嫌われたくない、なんてところもあるかもしれない。


「ミュコをもの扱いなんてしないぞ」


「私は……ジケならいいよ」


 エニとピコがいないのをいいことに、ミュコはジケとギュッと距離を詰める。

 歌劇団のメンバーはそれを微笑ましく見ている。


 クリストフが何を考えているのか知らないが、ちょっとした役得ではある。


「公演は盛況らしいな?」


 長めの公演期間となっているが、噂が噂を呼んで連日劇場の席は空きがないほどに埋まっている。

 やはりその中でもミュコの評判は良かった。


「当然でしょ? フィオス歌劇団だからね」


 安定も得つつ、こうして大きな劇場で長期公演を行う。

 今の状態は割とベストな感じだとミュコは嬉しく思っていた。


 ちょっとしたストーカー問題はあるけれど、ジケが近くにいてくれるならむしろプラスとまで言える。


「ぬへへ……」


 公演を見た人が幻滅しそうな笑顔を浮かべる。


「劇団の護衛要員も雇った方がいいかもな」


 これまでは歌劇団で全部なんとかしてきた。

 各地を旅しながら公演していたわけだし、多少戦う腕がある人は多いけれども戦いは専門ではない。


 これからもトラブルなんてことはどうしても付きまとう。

 商会ではなく、歌劇団専門で護衛して、ちょっと手伝ったりするような人も必要かもしれない。


「帰ったら探してみるか……」


 オーディションでも開催してみれば面白いかもしれないとちょっと思った。


「ちょっと準備も手伝ってくか」


 劇場に着いた。

 どうせならと準備を手伝おうとそのまま一緒に中に入っていく。


「……なんだろ?」


 劇場のスタッフが慌てたようにニージャッドのところに駆けてきた。

 何かをボソボソと伝えている。


 問題でも発生したのかとジケは様子を見守るが、ニージャッドにあまり慌てたような様子はない。


「どうかしましたか?」


「どうやらケリステン殿が話があるからと来ているようなんです」


「ケリステンさんが?」


 突然なんだろうか、とジケは首を傾げる。


「よければ同席願えますか?」


「分かりました」


 ニージャッドに話をするということは歌劇団に関することなのだろう。

 とするとジケにも聞く権利はある。ジケは護衛であるニノサンを引き連れてニージャッドと共に劇場にある控え室の一つに向かう。


「失礼します」


「ああ、どうも……おおっと? ジケ会長もお越しでしたか」


 控え室に入るとケリステンと、なぜなのかクリストフもいた。

 ニージャッドに続いてジケが入ってくるとケリステンは少し驚いた顔をした。


「それでお話とはなんでしょうか?」


「……ええと」


 ケリステンはチラリとジケのことを見る。

 何か少し言いにくいことでもあるのだろうかとジケは内心で警戒を強める。


 クリストフがニヤリとしているのもなんだか気になる。


「歌劇団、シュトレイブルに譲ってはいただけないでしょうか?」


「なんですって?」


 ニージャッドは思わず顔をしかめる。

 ジケも思わぬ提案に驚いてしまう。


「先日の公演、実に見事でした。ウチの息子が歌劇団のことをいたく気に入りまして……その、言い方は悪いのですが、引き抜きをと思いました」


「なるほど、それがお話しでしたか」


 ずいぶんと不義理なことをする。

 ジケはちょっと怒った。


 うちに来て欲しい。

 そんな話があることは時にある。


 だからそんなに怒ることでもないだろう。

 しかし今はジケがいる。


 ジケがいないならニージャッドを呼びつけて話をするのも理解できるが、今はジケに話を通さずにこっそりと引き抜きをかけようとしていた。

 これはいかにジケでも許しがたい。

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― 新着の感想 ―
社長が来ているのにもかからず、それを知っているにもかかわらず、それを差し置いて秘密で事業部長と人材交渉するなんてふざけてるな
親の教育が悪いなぁこれ 爺さんは……知らなさそうだな
というか回帰前にミュコを殺ったの、下手をするとこの人ら・・・?
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