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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十二章

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決闘を申し込む!4

「改めてご招待ありがとうございます」


「こちらこそ感謝を。いつ死ぬかも分からぬ老体の身で心残りがあってはいけませんからね」


 すでにヘスイトスたちは席にいた。

 ジケが軽く挨拶するとヘスイトスは笑顔を浮かべていた。


「あなたがフィオス商会の商会長殿ですね。シュトレイブルの当主ケリステンと申します」


「子供と聞いていたけれど……本当に若い」


「クリストフ、驚くよりもまず挨拶だろう」


 ここにきてようやくケリステンとクリストフとちゃんと顔を合わせる。

 クリストフはジケが自分よりも歳が下に見えることに驚いている。


 若くて才能があるからもてはやされているところはある。

 それなのに自分よりも若いのに、才能ある存在に初めて出会ったのだ。


「よろしくお願いします」


「……随分と女性に囲まれているようで」


 ジケはクリストフと握手を交わす。

 クリストフは特に何かを意図したわけではなかった。


 エニ、ピコ、リアーネと女性に囲まれている。

 今回もニノサンは屋敷で荷物を守ってくれているので男性で近くにいるのはユディットだけだ。


 純粋な感想とも言えるが、聞き方によってはとんでもない嫌味にも聞こえる。

 ケリステンを始めとした大人たちの顔が凍りつく。


「良縁多くてありがたい限りです」


 ジケも一瞬顔をしかめたけれど、公演前に場の雰囲気を悪くすることはない。

 こんな時にはサラッと流してしまうのがいい。


 ジケが笑顔で答えたことにケリステンはほっとした顔をするが、ヘスイトスはため息をついて首を振っている。


「ケリステン、クリストフを連れて挨拶に回ってきなさい」


「は、はい」


 眉をひそめるメクシトロの顔を見てケリステンは慌てる。

 ケリステンはクリストフを押していくようにして席を離れていく。


「申し訳ない。ジケ会長を攻撃する気はなかったのだ。まだ若くて言葉の持つ今をよく分かっていない」


 メクシトロがジケに謝罪する。


「いえ、気にしていませんよ。素晴らしい女性たちに囲まれているのは事実なので」


 実際周りに女性が多かったりするとジケ自身が思うこともある。


「感謝します。後でよく言って聞かせます」


 頑張って若い後継者を育てようとしても、想像通りにいかないのが世の常だ。

 ヘスイトスやメクシトロの態度を見るに、こんな感じのことがこれまでにもあったのかもしれないとジケは感じた。


「幕の内側が賑やかになってきましたね」


 何かの準備をしているのか、幕が閉じられた舞台の中で動き回る音がしている。

 何をしているのか覗き見するのは無粋なので、魔力感知でも見ないようにしている。


「できたお方で助かります」


 上手い話題の逸らし方だとメクシトロは目を細めて微笑む。

 席に座って始まるのを待っていると、ヘスイトスが気を利かせて場内販売しているお菓子やドリンクを差し入れてくれた。


「おっ、始まるね!」


 幕が開き、ニージャッドが舞台上に姿を現した。

 フィオス歌劇団の公演が始まった。


 ーーーーー


「ピコちゃんは、早速あの踊りをピコちゃん音頭に取り入れることにしました」


「そうか。頑張れ」


 公演が終わり、みんなに軽く労いでも伝えに行こうと楽屋に向かっていた。

 ピコは目をキラキラとさせている。


 目を輝かせている理由はもちろん公演を観たからだった。

 音楽も合わせ、舞台いっぱいを使ったシュレイムドールを守るはやはり圧倒的な演舞であった。


 練習で軽く観ていたピコですらミュコの踊りには魅了されている。

 ピコちゃん音頭にシュレイムドールを守るを組み込もうとしているけれど、なかなか大変だぞとジケは思う。


「みんなお疲れ様」


「ジケ君!」


 楽屋に行ってみるとミュコはぐったりとしていた。

 ミュコがメインで出るのはシュレイムドールを守るの一曲だけだが、その分全力を尽くす。


 ただ他の演目の時だって遊んでいるわけじゃなくて、準備を手伝ったりと忙しい。

 一公演終えると燃え尽きたように疲れてしまうのはしょうがない。


「ミュコちゃんすごかったよ! ピコちゃん感激!」


「ありがとー!」


「あれはね、ピコちゃんも負けを認めざるを得なかった……」


「ふふ、そうでしょ?」


「周りの評判も良さそうだったよ。もしかしたら次の仕事にも繋がることがあるかもな」


 公演が終わった後の反応を見ていたら批判的な感じの人はいなかった。

 ヘスイトスも満足そうにニコニコと笑っていたので、ひとまずはヘスイトスを祝うための目的は果たせた。


「ちょっと気になることはあるけど……」


 公演が終わってすぐにクリストフは劇場を出ていった。

 余韻も何もなく、なんでそんなにさっさといなくなったのか気になっていた。


 公演に対して何か不満を抱いているようには見えなかった。

 何か急ぎの用事でもあったのだろうかと首を傾げてしまう。


「まあ気にしても仕方ないか」


 ジケが何か文句を言われたわけでもない。

 気にするだけ無駄だとジケは頭を切り替える。


「それでこれからどうするんだ?」


「ちょっと後片付けをして、あとは帰るかな?」


「ミュコは会長殿と先に帰っていればいい」


「えっ、いいの?」


 ニージャッドが笑顔で声をかけてくる。


「公演は続く。片付けも軽くで構わない。会長殿と一緒なら安心だ」


 公演が終われば帰る準備をしなきゃいけないが、今回はまだ公演が続くのでしっかりとした片付けも必要ない。


「じゃあ……」


「失礼するよ!」


 父親の配慮。

 ミュコがそれに甘えようとした瞬間、クリストフが楽屋に入ってきた。

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