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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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固めた石鹸1

「固まらない?」


「うん、なかなか難しい」


 なんだかんだとあったものの、カグノーズを助け出したジケたちは家に戻ってきた。

 人気調香師たるカグノーズの方も色々と仕事が溜まっているらしく、戻って早々忙しそうである。


 ジケの方はのんびりしながらも石鹸を作ろうとしていた。

 そうは言ってもジケが直接色々と試している訳ではなく、研究担当のキーケックがやってくれている。


「お風呂嫌いだからクシで集めた。少し溜めた」


 キーケックとクトゥワが使う研究室に瓶が並んでいる。

 中に入って少し白濁した液体が入っている。


 これはアワシープラクーンドッグの体液を集めたものだ。

 ケッセンは残念ながらお風呂嫌いだった。


 嫌なら無理に入れることはできない。

 なのでクシで体液をすきとって集め、瓶に移していた。


「これだけあれば実験には困らないな」


 集め方としてはかなり面倒になるが、負担にならない範囲で集めようと思えばゆっくりと集めるクシでの方法は悪くないのかもしれない。

 量が足りなきゃそれはそれで仕方ない。


 あればいいな、ぐらいの石鹸なのでみんなが使えるようにという熱意はそんなに高くなかった。


「ただこれを固められないってのか」


「うん」


 石鹸といえば固形だ。

 だからとりあえず採取した体液石鹸を固めてみようとキーケックは頑張ったのだけど、なかなかいい感じで固形にならない。


「そう落ち込むなって。別に固まらなきゃ固まらないでもいいかもしんないしな」


 落ち込むキーケックの頭を撫でて慰める。

 全く固まらないというのは予想外だったけれど、逆の発想をすればいいとジケは思っていた。


「液体のまま使うってのはどうだ?」


「確かに使えそうだよね」


 エニは平たいお皿に出してある体液石鹸を軽く掬って、指先を擦り合わせる。

 それだけですぐにヌルヌルとして泡立ってくる。


 石鹸というイメージに囚われて、固形である必要は意外とないのかもしれない。


「ただ液体ってのはなぁ……」


 液体であることはいいのだけど、管理が難しい。

 固形の石鹸を使い切るほど泡立てることは難しいけれど、液体の石鹸なんて知らない人は簡単に全部ドバッと使ってしまいそう。


 あんまりアワアワになって流すのも大変だと使う湯量も増えてしまう。


「使う量を抑えながら、適度に体も洗えるようにする……難しいな」


 ジケは思わずため息を漏らしてしまう。

 液体で使う場合にも色々と配慮すべき問題があるのだ。


「なんか手を拭くもの……うわっ、何これ?」


 手についたヌルヌルを水で洗い流したエニが周りを見回す。

 何かタオルでもあれば、と思っていたらタオルが落ちていた。


 ただしなんだかパッサパサになっていて板のようになっているタオルだった。


「あっ、それはタオル」


「それは見れば分かるよ。なんでこんなことになってるのかってことだよ」


 エニがタオルを折り曲げるとパリパリと音がする。

 本当に板になってしまった訳ではなく、何か染みたものが固まっているようだ。


「アワシープラクーンドッグの体液拭いたタオル。洗おうと思って忘れたらそうなった」


「はぁー、体液が乾燥して固まったから固くなっちゃったってこと?」


「うん」


「あれ? ヌルヌルしてきた」


 エニがタオルに触れているところが泡立ち始めた。

 手を見るとヌルヌルとしている。


「乾燥した体液が元に戻った……のか?」


 エニの手は水で濡れていた。

 その手でタオルを触ったものだから、水に濡れてまた体液が元の状態に戻ったのだ。


「わわっ! ドンドン泡立ってくる!」


 タオルのせいなのか、手で擦り合わせるよりも泡立ちがいい。


「んもー、また流さなきゃ」


「エニ、そのタオル貸してくれ」


「ん? はい」


 ジケはエニから体液タオルを受け取る。

 エニが触っていたところを触ってみる。


 パサパサとしている他のところと違って柔らかく、触っていると指先がヌルッとする。

 さらにヌルヌルとタオルを触っているとあっという間に泡立ってきた。


「ふむふむ……」


「なになに?」


 次はタオルに水を垂らして揉み込んでみる。

 キーケックはジケの手元を覗き込む。


「おお〜」


 軽く水を垂らしただけなのに、タオルはあっという間にアワだらけになってしまった。


「……これだ!」


「これ? なになに?」


 キーケックは輝くジケの目をみる。

 研究者とはまた違う目で考えるジケのアイデアはキーケックにとっても刺激がある。


 ジケが何を考えたのかとキーケックの目も輝く。


「これだよ!」


 ジケはずいっとタオルを突きつける。


「これが石鹸だ!」


 ーーーーー


 石鹸を商品にするが、石鹸を売る訳ではない。

 つまり体を洗うだけの使い切りの量だけお客に渡せればそれでいいのだ。


 アワアワになりすぎないように少量の石鹸を渡して使ってもらうためにはどうしたらいいのか。

 なかなか難しい問題ではあったのだけど、体液染み込み乾燥タオルを見てジケは一つ思いついた。


「ふっふっふっ……これでどうだ!」


「…………これは何?」


 キーケックの研究室、ジケの目の前には布が並べられている。

 ハンカチサイズぐらいの小さなの布である。

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紙石鹸みたいなやーつ
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