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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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固めた石鹸2

「命名、石鹸タオル!」


 キーケックが嬉しそうに両手を上げる。


「石鹸……タオル?」


 小さいタオルはパサパサとしていて、水を吸い込みそうもない。

 エニは首を傾げて並べられたミニタオルを眺める。


「前にケッセンの体液吸わせたタオルあったろ?」


「うん、そんなのあったね」


「体液は乾燥してもまた水与えれば復活して、石鹸としての力を取り戻すんだ」


「ふーん」


「それを利用して、体液石鹸を染み込ませたタオルを乾燥させてみたんだ!」


「ふーん」


「ふーんって……」


 すごいのかもしれない。

 だけどエニにとってはあんまり興味ないことである。


 いまいち凄さも分かっていない。

 小さいパサパサの布が並べられているだけなのだ。


「まあ、使ってみれば分かるよ」


 意外と革命的なんじゃないかと思うのだけど、今は使えなさそうな布に見えていてもしょうがない。


「液体のままだとなかなか管理は難しいけど、タオル一枚で一回分の量だけってことにすれば量も節約できるし管理もしやすい」


「んで、どうやって使うの?」


「使い方は簡単だよ。水に濡らして、軽く揉めば泡が出てくる。あとはそのままそのタオルで体を擦って洗えばよし!」


 ジケは石鹸タオルを一枚手に取る。

 ビーカーに入っている水を垂らして、水を染み込ませるように石鹸タオルを揉み込む。


 すると透明な泡が立ち始める。


「エニ」

 

「あ……」


 ジケはエニの手を取る。

 滑らないように少し強めに手を掴まれて、エニは耳を赤くした。


「こうやって洗うんだ」


「う、うん……」


 ジケはエニの腕に石鹸タオルを当てて軽く擦る。

 石鹸タオルはなかなかの名開発なのではないかとジケは思う。


 石鹸の量はタオル一枚分に制限できるし、使い方も分かりやすい。

 さらにはそのままタオルで体を擦って洗うことができる。


 オランゼの驚く顔が目に浮かぶようであるとジケはニヤけてしまう。


「あとは色々と……」


「……いつまで握ってんのよ!」


 流石に恥ずかしくなった。

 エニがピッと手を離すとフィオスに泡が飛ぶ。


「でもすごいって分かったろ?」


「なんとなく?」


 最初想定していた形とはだいぶ違うが、結果が出ればどんな形だって別にいい。


「あとは細かな調整と実験……それに香り付けだな」


 体液石鹸もそのままでは量が少ないし、泡立ちが良すぎる。

 理想は石鹸タオルで全身洗った後、たっぷりお湯を含んだ普通のタオルで拭きながら洗い流せるぐらいがいい。


 そうなると体液石鹸も少し薄める必要がある。

 量も必要なので薄めるぐらいでちょうどいい。


 ただどれぐらい薄めるべきなのか、試してみなきゃいけないのである。

 他にも体はこれでいいとして髪もできるかなとか、カグノーズと相談しての香り付けも残っている。


 もしかしたら香りをつけたら少し性質が変化してしまうことだってありえない話じゃない。

 幸い貧民街はちょっとした報酬で手伝ってくれるような人も多い。


 体が綺麗になるならみんな文句もないだろうし、ちょっとずつ試していくつもりである。


「後の実験は頼むぞ、キーケック」


「うい!」


 たくさん並べられたミニタオルはそれぞれ染み込ませた体液石鹸が違う。

 薄めたものや染み込ませる量なんかが異なっていて、どの薄さ、どの量がよさそうなのかこれからキーケックが確かめていく。


 こうした細かい作業はなかなか飽きたりと大変なものなのだけど、キーケックは全く苦にしないで作業をできる人なのである。

 研究をする上ではいい性格をしている。


「んじゃ、カグノーズさんのところに行ってくるか」


「いってらー! 僕が実験しとく!」


 ーーーーー


 ジケはエニとニノサンを引き連れてカグノーズのところを訪ねた。

 ヘギウス商会に納品する色々や注文が入っていた香水の調合など、帰ってきた直後は色々と忙しかったみたいだけど、そろそろ落ち着いたはずである。


「相変わらず豪華なお屋敷だな」


 カグノーズに聞いたところ、屋鋪そのものではなく植物栽培できそうな広い敷地がある場所を選んだ結果今住んでいるところに辿り着いたのだと言っていた。

 要するにどこまでも香りのためなのだ。


「カグノーズさん、いらっしゃいますか?」


 ジケがドアをノックする。


「はーい、どちら様でしょうか?」


 メイドさんがドアを少し開けて顔を覗かせる。

 ちなみに手紙を勝手に読んだことはちゃんと不問にされている。


「どうも、フィオス商会のジケです。カグノーズさんはいらっしゃいますか?」


 フィオスを抱えたジケはニッコリと笑顔を浮かべる。


「あっ!? ジケ様ですね!」


 メイドは驚いた顔をして、ジケに向かって丁寧に頭を下げる。


「話は聞いております! どうぞ、中にお入りください!」


「あ、は、はい」


 メイドさんの勢いに押されつつ、ジケたちはカグノーズのお屋敷の中に入る。


「カグノーズ様を呼んでまいります」


 応接室のようなところに通されて、カグノーズを待つ。

 どうやらお屋敷にはいるようだ。


「お待たせしてすいません!」


 待っていたら程なくしてカグノーズが走ってやってきた。

 白衣にボサボサとした髪をしている。


 助け出された時よりもヨレヨレの格好をしたカグノーズは、どことなく甘い香りをまとっている。

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