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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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フィオスを追いかけろ!2

「もちろん行きますよ! カグノーズさんはうちの商会とも関わりがありますし、私が紹介したんですから!」


 リンデランは胸を張る。

 もっともらしい言い訳であるが、実際ジケと一緒にいるために大人しく引き下がるつもりなんてない。


「私は別にあれだけど……一人だけ帰るってのもね」


 ウルシュナは苦笑いを浮かべる。

 実際、ウルシュナはこの件に関わりがない。


 コルモー大森林に行ってスイロウ族に会うからついてきたぐらいの感じである。

 だからといってここで一人だけ帰るのも違うだろうと思う。


「俺も行こう」


「えっ?」


 ナルジオンがニヤリと笑う。


「王たる者として色々見て回る経験は大切だと言われている」


「別にこのような経験は必要ないと思うんですけどね」


 オツネはナルジオンの判断に呆れたような顔をしていた。


「お前はスイロウ族との話をまとめておいてくれ」


「…………分かりました」


 ここから先は明らかに戦いが起こることが予想される。

 オツネは戦えないのでコルモー大森林に残ることになった。


 話というのは、どうやら北方の獣人とスイロウ族で交流を行うらしい。

 スイロウ族の方が人に近い生活をしている。


 ここまで人と関係を絶ってきた獣人たちが、人に慣れ、人の生活を知るためにスイロウ族のところに獣人を送り込む計画を立てていた。

 ナルジオンはその話し合いを取りまとめようとしていたのである。


「俺も……」


「あんたは足手まといでしょ!」


「ええっ!?」


 ウルシュナも行くし、ナルジオンも行く。

 ならば自分も、と手を挙げようとしたトースの首根っこをエスクワトルタが引っ掴む。


「で、でも……」


「私にも勝てないくせに何言ってんのよ」


 トースは情けない顔をしてエスクワトルタのことを見る。

 先ほどまではトースも一緒にいたけれど、それは森の案内役としてついてきたからに過ぎない。


 たまたま香りを追いかけるというところでトースの力も役立ったが、トースは戦力として強くない。

 森の外という不慣れな環境に出ていくことも不安であるし、どう見ても足手まといだとエスクワトルタは考えていた。


「ジ、ジケェ……」


「ジケ?」


「トース……すまない」


 トースがウルウルとした目で、エスクワトルタが鋭い目でジケを見る。

 ジケはふっと二人から目を逸らす。


 姉は強し。

 エスクワトルタがダメだというのに無理やり連れていくこともできない。


「ほら、邪魔にならないように行くわよ」


「えっ! あっ! そ、そんなぁ!」


 トースはエスクワトルタに引きずられるようにして連れて行かれる。

 厳しくはあるが、それだってトースを心配してのことだ。


「……よし、じゃあ行こうか」


「パピー……私も行ってくるよ。女は度胸!」


 ちなみにピコもついていく気満々である。

 まずジケたちはコルモー大森林を出て、近くの町に向かう。


 預けていた馬車を回収して、パパッと食料を買い込んでグリーンスネークを追いかけ始める。


「ははっ、これはいいな!」


 ナルジオンの分も馬を用意して、と思ったのだけど、ナルジオンは馬車の上に乗って寝転がっている。

 ジョーリオが引っ張って普通よりも早く走るのに、それでも揺れが少ない馬車はナルジオンにとっても快適なようだ。


 代わりに馬にはリアーネが乗っている。

 ヘレンゼールとリアーネが馬、みんなは馬車という形で道を突き進む。


「フィオスさんは無事でしょうか……?」


 ジケは目を閉じてフィオスを感じ取っていた。

 かなり遠い。


 方角と遠いことだけがうっすらと感じられるぐらいにしか分からない。

 こんなにフィオスと離れたことなんてほとんどない。


 リンデランもフィオスのことを心配している。


「とりあえず無事だと思うよ」


 ジケは目を開ける。

 フィオスの感情は相変わらず胸に感じられる。


 危機を感じたりしている様子はなく、なんとなく楽しんでいるような感じだ。

 少なくとも見つかって捕まっていたり、どこかに捨てられたりしているということはなさそうだとジケは思った。


「一人の冒険を楽しんでるのかもな」


 ジケも心配はしているがフィオスは楽しく思っている。

 潜入するということをフィオスなりに楽しんでいるのかもしれない。


 本当に不思議なスライムである。


「んで、これからどうするの?」


 グリーンスネークを追いかけることはみんな分かっている。

 ジケたちの馬車の方が速いけれど、向こうも走っている以上縮む距離は小さい。


 どうやって追いつくつもりなのかとウルシュナは難しそうな顔をする。


「真っ直ぐ追いかけるつもりはないさ」

 

 真っ直ぐ追いかけては追いつくのが難しい。


「先回りしよう。できれば国境付近で捕まえたい」

 

 相手がドカナイに向かっていることも判明している。

 どのようなルートを取るのか分からないが、真っ直ぐドカナイに向かっているのではなく道に沿って走っているような感じがしていた。


「俺たちは道を無視して真っ直ぐドカナイの方に向かう」


 普通の馬車だと道でないところを走ると揺れが激しくて、とてもじゃないが乗っていられなくなる。

 しかしジケの馬車は多少荒れた場所だろうと平気で走行できる。


 この差を活かして先回りするのだ。

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