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【祝四周年】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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香る男が見つからない7

「何で誘拐なんか……」


「このピコちゃんにも分からないね……」


 ピコは渋い顔をして首を振る。


「カグノーズさんがいたか聞いてみようか」


 というか先にそっちを聞いてみれば良かったとジケは思った。


「カグノーズさんという方はいましたか?」


「カグノーズ? いや、そんな隊員はいないが……ああ、そういえば一人合流してきた奴がいたな」


 先ほど声をかけた人に聞いてみる。

 どうやらカグノーズという人と面識はないようだが、カグノーズっぽい人はいたようである。


「俺は知らない人だったが、あっちにいる奴と話していたから聞いてみるといい」


「ありがとうございます」


 年配の調査隊は中年の調査隊を指差した。


「すいません、今お話いいですか?」


 中年の調査隊は地面に寝かされている。

 脇腹のところの服が破けているけれども、傷がある様子はない。


 服が濡れているのでポーションで治療した後のようだ。

 フィオスポーションは万能である。


「なんだい? こんな体勢でよければ何でも答えるよ」


「寝てた方が楽ならそのままで大丈夫ですよ」


 怪我は治っているように見えたが、頭でも打ちつけて具合が悪いのかもしれない。

 無理させるつもりはない。


 寝ていようと質問に答えてくれるのならジケにとってはなんでもよかった。


「カグノーズさんという方はいましたか?」


「カグノーズ? ああ、いたよ。何しにきたのかは細かくは知らないけれどな」


 腕を頭に乗せて中年の調査隊は答える。


「急な現れて、あいつとは知り合いだから俺は軽く声をかけたが、花を見にきたとか言ってたような気がする。その後……バンガルと言い争いをしていた。あいつら確か研究していた時には同期だったはすだ」


「襲われた時も一緒に?」


「ああ、ちょうどその時に言い争いをしていた。少し離れたところにいたから何を言い争っていたのかは知らない」


 目を閉じて眉間にシワを寄せ、その時のことを思い出そうとする。

 調査することもあったし、他人の言い争いに聞き耳を立てる趣味もない。


 言葉の端々は時折聞こえていたが、その内容までは覚えていなかった。


「でもここにいないってことは、二人もさらわれてしまった……ってことか」


 とりあえずカグノーズが調査隊と一緒にいたことは確認できた。

 どこにいるのかまた不明にはなってしまったものの、チラリと背中が見えたような気分にもなった。


「むしろ最初に襲われたのがあいつらなんだ。悲鳴が聞こえて、それから俺たちも襲われた」


「相手はどんな人たちなんですか?」


「黒いローブの連中だよ。顔はよく見えなかった。……そういえば言葉に少し訛りがあったな」


「訛り?」


 せっかく追いついた。

 そう思ったのに、またカグノーズはどこかに行ってしまった。


 ジケはいまだにカグノーズの顔すらわからない。


「別にここまでするようなことでもない……気がするんだけどな」


 そもそもジケがカグノーズを探していたのは、石鹸に匂いをつけたいという理由からだった。

 それだって改良の一案に過ぎず、別に香りがなくたって構わない。


 なんでこんなに頑張ることになったのか、疑問に思ってしまうジケなのであった。

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