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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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香る男が見つからない1

「まずは調査隊に話を聞きに行ってみようか」


 コルモー大森林手前の町までやってきた。

 ここから先は馬車を置いていくことになるのだけど、今回は宿ではなくヘギウス商会の支店があったのでそこに預けていく。


 ただコルモー大森林に行く前に、コルモー大森林の調査をしている調査隊の一部が町にいるらしいので話を聞きに行ってみることにした。


「えーと、あの家かな?」


 ヘギウス商会の支店の方でアポイントは取ってくれている。

 空き家を拠点として借りているらしく、ジケたちはそこに向かっていた。


 少し古めのお屋敷を調査隊の人たちで使っている。


「すいません、誰かいらっしゃいますか?」


「どちら様かな?」


 ジケが屋敷のドアをノックすると、無精髭を生やした、やや目が細めの中年の男性が顔を覗かせた。


「ジケと言います。少し調査隊の人に話を聞きたくて」


「ああ、聞いてますよ。中に入ってください」


 先に約束は取り付けてあるので、話が早い。

 ジケたちが屋敷に入ると一階のリビングに倒された。


「散らかっていてすいません……」


 テーブルの上には大森林の地図らしき物が広げてあったり、色々と資料のようなものまで床にも落ちている。

 お世辞にも綺麗とは言えない状態であった。


「それで……お話とは。ああ、まずは自己紹介ですね。調査隊の副隊長をしているザーデナーです」


 ザーデナーはテーブルの上のものをざっくりと片付けて端に寄せる。


「改めて、ジケです。よろしくお願いします」


「え、ええ……」


 ザーデナーは大人ではなく子供のジケが対応することに不思議そうな顔をしたが、特に深く突っ込むこともしなかった。


「人を探しにきていて」


「人ですか? 調査隊の隊員でしょうか?」


「実はちょっと違くて」


 ジケはざっくりと事情を説明する。

 カグノーズという人を探していて、調査隊の一員からの手紙を受け取ってコルモー大森林に向かった可能性がある。


 そのためにこちらの方に合流してきていないかと探しにきたのだ。


「カグノーズが……」


「お知り合いなんですか?」


「ええ、今でこそ鼻を活かした仕事をしていますが、彼も若い頃は学者だったのです。私も彼と仕事をしていたことがあるのです」


「そうなんですか」


 それは知らなかったなとジケは思った。


「優秀な学者でした。その時の好きが高じて今の仕事にも繋がっているのでしょう」


 調査隊をやっているザーデナーの元同僚ということは植物系の学者だったのかもしれない。


「しかし私のところには来ていませんね。それに調査中の情報を漏らすのは御法度のはずですが」


「バンガルさんという人が手紙を送ったらしいのですけど」


「バンガル?」


 名前出すのはまずいかなとは思いながらも、ジケはカグノーズ優先である。


「バンガルか……まあ、あいつならあるかもしれないな」


「バンガルさんに何かあるんですか?」


 ザーデナーは少し険しい顔をした。

 なんでそんな顔をするのだろうとジケは気になった。


「バンガルは少し素行が良くなくて。言ってしまえば金遣いが荒いんですよ」


 小さくため息をつくザーデナーは軽く首を振る。

 お金に関してだらしない人はどこにでもいるもので、自分だけが困るならともかく周りに迷惑をかけるようなこともある。


「花の手紙も善意なんかじゃなく、金をたかろうとしていたのかもしれない」


 新しい花が見つかったという情報と引き換えに金をよこせ。

 そんな意図があったのかもしれないとザーデナーは思った。


 だとしたらカグノーズにわざわざ花の手紙を送りつけたのも納得がいった。


「バンガルさんはどこに?」


「ここにはいない。今は大森林の方にいるんです。今は交代で調査を行なっていて、バンガルは調査組なんですよ」


「ここにカグノーズさんが来ていないということは、森の方に直接向かったんですかね?」


「その可能性が高いと思います。私がいると知っていたら挨拶ぐらいには来るだろうから、気づかずそのまま行ったのでしょうね」


 やはりコルモー大森林には行かねばならないようだ。


「ちなみにカグノーズさんからの連絡が途絶えたそうなんですが、調査で何か怪しいものなどはありませんでしたか?」


「怪しいもの? いや、特に。カグノーズも森に入ってしまったら連絡は取れないだろうからそのせいじゃないですかね?」


 確かに森に入れば手紙なんて送れない。

 連絡が途絶えてしまったのも新しい花を見つけて浮かれているから、という可能性も出てきた。


 それなら楽な話である。


「ちなみにどんな感じで調査をしているか聞いても大丈夫ですか?」


「ああ、構わないですよ。調査を行なっていることそのものは秘密じゃないので」


 ザーデナーは端に寄せていた大森林の地図を広げる。


「スイロウ族と相談して、コルモー大森林の中心部から水源地、川の流域などを除外した森林部分を今回調査しています。現在は森の西側……大体この辺りを調査しているはずです」


 地図の上をなぞって調査地域を示してくれる。

 前回来た時には行かなかったところである。

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