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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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この遺跡は!5

「……とりあえずサンモーウさんはいないようだな」


 戦った場所はそんなに広くもない。

 イレニアの光で隅の方まで見ることができた。


 サンモーウらしき人影どころか、部屋の中には何もない。


「右腕はなさそうです」


「じゃあひだり左腕も破壊するか」


 ユディットとニノサンでゴーレムを倒そうとしている。

 ゴーレムにはコアとなるところがあり、それを壊さない限りは死なない。


 裏を返せばコアさえ壊せば倒せてしまうのである。

 ただどこにコアがあるのかは外から見ても分からない。


 ジケの魔力感知で分かる場合もあるが、基本的に体の中にあるものは感知できない。

 コツコツと壊していってコアを探すしかない。


「……にしてはここ綺麗だな」


「綺麗ですか?」


「ああ」


「うーん、ホコリっぽいけど?」


 周りを見ていたジケの呟きにリンデランとエニは不思議そうな顔をした。

 ものがないからスッキリして見える。


 ただ綺麗かと言われればそうでもない。

 長年見つかっていなかった遺跡らしく、ホコリがかなり溜まっている。


 後ろを振り向くとうっすらと足跡が残るぐらいだ。

 だからお世辞にも綺麗とはいえない状態である。


「綺麗ってのは死体とかがないなって話だよ」


 サンモーウの死体がないのはいいことだ。

 だがならば落とし穴に落ちたはずのサンモーウはどこにいったのか。


 罠が一度も使われなかった可能性もあるが、こんな凶悪な罠を用意しておいて全く使われなかったと考えるのもちょっと不自然だ。

 何かから遺跡を守るために罠を設置したのなら、きっと落とし穴の罠だって発動しただろう。


 落とし穴の高さ的に即死しない可能性も十分にある。

 そこにトドメを刺すためにゴーレムがいるのだろうとは考えられる。


 だが部屋の中には骨とか、大昔に罠にかかった人だろうなと思うような痕跡はない。


「……誰も罠にかからなかったか、あるいは死体とか落ちてきた人を片付けていたか」


 ジケはジッと床を見つめる。

 戦いによってだいぶホコリの痕跡も荒れてしまっている。


「見てみろよ。このホコリの跡」


 足跡以外にホコリに跡が残っている。


「まるで何か引きずっていったみたい……」


「確かに、そう言われると……」


 まるで大きなものを引きずったかのような一本の筋が残っていた。

 ちょうど人ぐらいの太さがある。


「つまりどういうことですか?」


「つまり、ここに落ちた人はどこかに連れて行かれた可能性があるってことだよ」


 生きているのか死んでいるのかは知らない。

 だが部屋に何もないこととホコリの跡を見ると、落とし穴に落ちたサンモーウはどこかに引きずられていったのだろうと予想できた。


「ホコリの他に血痕はない。落ちた時に大きな怪我もしていないし、ゴーレムにトドメを刺されたわけでもないと思う」


「流石ジケ君……すごい推理力ですね!」


 冷静に周りの状況からヒントを拾い上げて、推理を重ねる。

 自分じゃ全く気づけなかったことばかりだと、リンデランはキラキラとした目でジケのことを見ている。


「ふふ、照れるじゃないか」


 真っ直ぐに褒められるとジケも気分がいい。

 こういう時にエニはあまり褒めてくれないので、ちょっと新鮮だった。


「ありました!」


 ジケが推理を繰り広げている間に、ゴーレムのコアも見つかった。

 いつの間にかゴーレムはバラバラになっていて、見る影も無くなっている。


「これも気になるんだよな」

 

「これ?」


「ゴーレムの胸のところにある……マークっての?」


 ジケはバラバラになったゴーレムの胸部分を指差す。

 意図して彫られたような丸いマークのようなものがある。


 あまりにも抽象的で、何かを示しているのかも謎だ。

 単に丸く記号を彫っただけかもしれない。


「でも確かにフィオスマークに似てますね」


 青く塗ればジケの商会のフィオスを模した図柄に似ていることだろう。


「まあ、とりあえず今はサンモーウさんを探そうか」


 悩んでも答えはわからない。

 今は無事かもしれないサンモーウを探すことが優先だ。


 ゴーレムの後ろにある通路に引きずった跡は続いている。

 ジケたちはそのまま奥に進んでいく。


 先頭にニノサンが立ち、イレニアが照らしてくれる。

 なんの変哲もない通路だが、さらに罠があるかもしれないのでしっかりと警戒はして進む。


「……なんだここは?」


 進んでいくと壁に突き当たった。

 代わりに左右に道が続いている。


 ただ左右の道はまっすぐではなく、軽く曲がっていた。

 左右の先を見てみると、鉄格子のようなものがある。


「ここは牢屋なのか?」


 ジケは鉄格子の中を覗き込む。

 鉄格子の向こうは小さい部屋になっているが、中に何かが入っていることはない。


「とりあえず右に行こうか」


 ホコリの痕跡は右に続いている。

 なので右に進んでみることにした。


「光……おーい! 誰かいるのか!」


「おっ?」


 どうやら道は大きくぐるりと丸くなっているようだと歩きながら感じていた。

 そんな時に男性の声が聞こえてきた。


「サンモーウ! あなたなの!?」


「オルナ! オルナなのか!」


「あっ! 一人じゃ危ないですよ!」


 オルナが走り出し、ジケたちも後を追いかける。

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