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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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この遺跡は!3

「ゴーレムか……まあ、面倒だけど戦えないことはないな」


 天然ゴーレムだろうと人工ゴーレムだろうと大きな差はない。

 問題は何でできているかだったりする。


 泥で出来たゴーレムは柔らかくて戦いやすい。

 あまり人工ゴーレムで泥性のものはいないが、そんなんだったら楽だろう。


 基本的にゴーレムは岩なんかで出来ていることが多い。

 それが普通だが、そうなると結構面倒。


 硬いし、疲れ知らずで、かなりのパワーもある。

 しかしジケはゴーレムのことを全く恐れていない。


 なぜならジケにおいてはゴーレムに対して圧倒的に優位なのだ。

 もっと正確に言えば、フィオスがゴーレムに対して強いのである。


 以前、ウルシュナの母親サーシャの故郷であるラグカにて、ジケはゴーレムと戦った。

 他人の魔獣であり、金属製のアイアンゴーレムというなかなかの難敵だった。


 けれどもジケはフィオスの力を使ってゴーレムを完封してしてみせたのである。

 動きが鈍めで物理攻撃しかできないゴーレムは、物理攻撃の効かないフィオスを倒すことができない。


 逆にフィオスもゴーレムを倒すことは難しいが、ゴーレムを戦闘不能の状態に拘束することはできるのだ。

 フィオスがゴーレムをこうそくしてくれれば、あとはジケが倒せばいい。


 だからあまりゴーレムを恐れていないのだった。


「どっちかというと、罠の方が面倒な感じあるよな」


 ゴーレムと戦うことは任せてもらえばいい。

 他にも魔物はいるかもしれないが、よほどの相手じゃない限り戦力的にも困ることはないだろう。


 遺跡にある罠とやらの方が怖い。


「壁から矢が飛んできたり、天井から大きな刃がスイングしてきたり……なかなか罠自体も凶悪です」


「ある程度罠は発動しているみたいだけど、気をつけて進もうか」


 見ると罠の痕跡がある。

 先に入った冒険者たちがいるので、罠も散々発動した後だろう。


 何回も使えるような罠もないわけじゃないし、発動していない罠があるかもしれないので、警戒は怠らない。

 ただ結構しっかり罠は発動していそうだとジケは思った。


「ええと……こっちです」


「おっと……」


 ふと角を曲がると、そこに死体が倒れていた。

 胸に槍が刺さっていて、通路の端に寄せてあった。


 罠にやられた冒険者のようだ。

 ジケは死体を見ても特に動揺することもない。


 けれどもエニとリンデランは大丈夫だろうかと様子を確認する。


「……こんなところで大変だね」


「神が彼のことを導いてくれますように……」


 エニはいつもと変わらない。

 神殿勤めは言うほど楽じゃない。


 時に間近で命を扱う。

 何も思わないということではないが、普通の女の子のように動揺はしない。


 リンデランの方も、少しの動揺は見える。

 だが大きなショックを受けている様子はない。


 まるで花のように大切に育てられてきたリンデランだけど、それなりに色々な経験はしている。

 ただ触れればダメになってしまうような花でもないのだ。


 二人とも強いのだなと感心してしまう。


「……ここです」


 しばらく遺跡の中を進んできて、オルナがふと立ち止まる。

 何の変哲もなさそうな床を見つめている。


「ほんとだ。すこしだけ隙間があるね」


「隙間……?」


「私には分かんないよ」


 目で見ても何も分からないが、魔力感知で詳細に見てみると床の真ん中に細い隙間があった。

 サンモーウは落とし穴に落ちたとオルナは言っていた。

 

 ここから開いて落とし穴になるのだろうとジケは推測した。


「例のゴーレムってやつはいないな」


 ゴーレムに追いかけられて、落とし穴の罠に引っかかった。

 そう聞いていたが、落とし穴の近くにゴーレムの気配はない。


「うーんと……どこかにスイッチがあるはずだ」


 軽く落とし穴を押してみても開きはしない。

 ならば重さで開くタイプではなくて、何かのきっかけで開く罠だろう。


 多くの場合はスイッチとなるものがある。


「あそこ……怪しくない?」


「あっちも何かありますよ!」


「どっちから来ても発動するようになってるのか」


 落とし穴の前後に、ほんのわずかに床が浮いたようになったところがあった。


「みんな下がって……よっと」


 ジケは浮き上がったところを踏んでみる。


「おっ!」


 ぐっと床が沈み込む。

 少しだけ間があって、落とし穴がかぱっと開いた。


「穴は結構深そう……あっ!」


 スイッチから足を離して、慎重に穴を覗き込む。

 遺跡の中も光が届かず真っ暗なのだけど、穴の中も闇が広がっている。


 サンモーウの姿も見えないなと思っていたら、落とし穴が閉じてしまった。

 スイッチを押していないと落とし穴は自然と閉じてしまうようだ。


「ユディット、押しててくれるか?」


「分かりました」


 ちゃんと様子も見られなかった。

 今度はユディットにスイッチを押していてもらう。


「うーん……」


 ただ改めて落とし穴の中を覗き込んでもサンモーウの姿は見えない。


「とりあえず下まで降りてみようか」


 上手くやれば落とし穴の下で生きている可能性はある。


「フィオス、お願い」


「何をなさるんですか?」


「まあ、見てなって」


 スイッチを押したままじゃなきゃいけないのは何をするにしてもめんどくさい。

 一度落とし穴を閉じて、ジケはフィオスを床に下ろす。


 ぬべーっとフィオスが床に張り付くように広がる。

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