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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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この遺跡は!1

 なんにしても待つしかない。

 ジケたちはサンモーウをキャンプで待つことにした。


 時々遺跡の入り口にも行きつつ、忍耐強く待つ。

 ただそのままじゃ暇なので、馬車で町に行って食料やお酒を買い込んでキャンプで売ったりしていた。


 キャンプを管理している商人とやらは今はそんなに顔を出さないらしくて、ジケはこっそりとお酒でちょっとした利益を得ていた。

 雰囲気の悪かったキャンプも、お酒を飲んでガス抜きができたら少しだけ落ち着いた感じにもなっていた。


「リンデランは先に帰らなくてもいいのか?」


「ジケ君の馬車に乗ってきたのですよ? どうやって帰るんですか?」


「……まあ、それもそうか」


 当然ながらリンデランも一緒にいる。

 リンデランの仕事は終えたのだし、先に帰ってもよかった。


 ただ行きはジケたちと一緒に、同じ馬車に乗ってきた。

 護衛の二人は馬に乗っているし、リンデランだけ帰ろうと思っても足がないと言うことになる。


 帰ろうと思えばいくらでも帰るための手段はあるけれど、リンデランの安全なんかを考えると手段も限られてきてしまう。

 急ぐことがないのならジケたちと帰った方が安全安心というのはあるのかもしれない。


「私はジケ君と一緒にいれて嬉しいですよ!」


 リンデランはニコニコとしている。

 エニはいるものの、他の邪魔者はいない。


 ユディットもニノサンもリンデランがジケのそばにいても止めないし、護衛の二人もリンデランを止めるには勢いが弱い。

 それこそやはり、他の女子の勢いやパージヴェルのような強さがなきゃダメである。


 キャンプという場所が場所だけにそんなに積極的にはいかないものの、安全のためにジケのそばにいるという大義名分は得られている。


「なあ、例のアレ、くれないか?」


「一本で大丈夫ですか?」


「ああ」


 冒険者の一人がジケの馬車に近づいてきた。

 怪しい取引のようだけど、売り物は合法的なお酒である。


 キャンプを管理している商人に目をつけられても困るので、一応こっそりと売ることにはしているのだ。


「そろそろ一度遺跡の方を見に行ってみようか」


 サンモーウたちも意外と出てこない。

 迷子になっているのか、順調なのか、粘ってるのか、はたまたもしかしたらもう二度と出てこないのかもしれない。


 遺跡前の冒険者たちにもお酒は売れるので馬車で移動する。


「おっと!」


「二本、くれないか!」


 ジケの馬車が見えて、遺跡前で待機している冒険者たちも色めき立つ。


「はいはーい。数あるので並んでください」


 ここにピコがいたならまた別の何かを売ってるかもしれないし、もっとお酒を売り込んでいたかもしれない。

 ジケも商魂たくましくなりつつあるが、ピコも立派な商人だとジケは思う。


「結局持ってきた全部売れたな」


 手持ち無沙汰だと飲むぐらいしかない。

 一度町まで戻って買い足したお酒も全て売れてしまった。


 そんなに利益を上乗せしているわけじゃないので、儲けとしては少ない。

 それでもお土産代ぐらいは稼げた。


「みんなもお酒飲めてハッピーだろうな」


「お酒ってそんなにいいものなんですか?」


「うーん……大人になったら分かるよ」


「あんたもまだ子供でしょ」


「まあな」


 ジケは一度人生を経験してるのでお酒は経験済みだ。

 経験したどころか、酒に溺れていたような時期すらある。


 金が入ればとりあえず安酒をあおっていた。

 嫌な気分を忘れさせてくれて、酒場にいる人が友達であるかのように感じられたが、今思い返してみると虚しいだけだった。


 適切に飲む分にはいいだろうと思う。

 今回の人生では酒に溺れるようなことはしたくない。


 ただみんなとお酒を飲んだら楽しそうだ。


「ただサンモーウさんはいらっしゃらないようですね」


「ああ、今日もハズレか。生きてるのかも怪しくなってきたな」


 ここまでで何人か遺跡から出てきて、新しく遺跡に入っていった。

 ちゃんと交代で入るということが分かって、キャンプの方も苛立ちが小さくなっている。


 ただ長々と入っていて、不満に思われている冒険者もいる。


「また出直して……」


「おっ、誰か出てきたぞ!」


 サンモーウがいないなら長居する理由もない。

 帰ろうとしていたら遺跡の方を眺めていた冒険者が、中から人が出てくるのを見つけた。


「女性……か」


「サンモーウさんじゃなさそうだね」


「少し様子がおかしいですね?」


 遺跡から出てきたのは女性の冒険者だった。

 サンモーウは男なので、確かめるまでもなくサンモーウではない。


 ただ出てきた女性の様子がおかしかった。

 なんだか慌てたように遺跡から走って出てきている。


「おい、ボウズ」


「なんですか?」


「あいつ、サンモーウの嫁さんだぞ」


「えっ!?」


 近くにいた冒険者がこそっと教えてくれる。

 赤毛の三つ編みにそばかすの美人、そんな話を聞いたことを思い出す。


「誰か助けてくれ!」


 そのまま待機の冒険者たちの方に駆け寄ってきたサンモーウの嫁さんは青い顔をして叫んだ。

 何か異常がある。


「…………サンモーウさんはどこだ?」


 それは見れば分かる。

 サンモーウは嫁さんと一緒に活動している。


 なのに嫁さんしか帰ってきていない。

 サンモーウはどうなったのか。

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