〜第1章2部"少年領主と新たな友"〜 深まるばかり
遅れましたが、今日からじゃんじゃん投稿していきます!
これからもよろしくお願いします(*´∀`*)
「そうだな、少なくともヴェリトル一とまで誇る事だけはあるようだよ」
シゲン達はそう評価して、実際に中に入ってみようかと考えていたちょうどその時、店内から一人の男が出てきた。
「皆さま、いつもこのルシット商会をご贔屓にして下さって誠に感謝しております。申し遅れました、私はルシット商会の長を務めさせていただいております、アルバ・ルシットで御座います」
彼がそう優雅に告げると、その周囲にいた客達は笑顔で返した。
「よぉアルバさん、いつも世話になってるよ。何時もありがとな!」
「今日は一体どんな事をしてくれるんだ?あんたが出てきた時はいつも良いことばかりあるんだい」
アルバの周りには、いつのまにか人だかりが出来ていた。そこには老若男女問わず集まっており、どれだけ慕われているのかが分かった。
「ははは、皆さまの期待通り良い事をお伝えします」
「皆さま、このヴェリトルの前領主が亡くなってから久しくなっておりますが、この度新しくシュバルツ家次期当主であるシゲン・シュバルツ様がヴェリトルの新しい領主となりました」
するとそこで一旦言葉を切ると、彼は周りを見渡して一息に喋った。
「新しく領主となったシゲン様を祝し、ルシット商会はこの一週間は大幅に値下げいたします。この機会に是非お立ち寄り下さい」
アルバがそう言い終わる前に周りにいた人々はワッと店に押し寄せた。その勢いに彼は苦笑しながらも、人混みの中をスイスイと泳ぐように消えていった。
一方シゲン達は、怒涛の様に押し寄せる人混みをなんとか掻き分けて脱出し、その場を止む無く後にした。
シゲンの顔自体は一般の人々には知られていないので街に出ることが出来たのだが、流石に昨日会ったばかりであるアルバがいるであろう所に、お忍びとはいえ行くのは気付かれてややこしくなる可能性がある以上、残念だが仕方のない事であった。
人混みから向け出して一息ついている中、ハーバーは静かに思い耽っていた。
(昨日ヴェリトルの文官達に聞いてみた感じだと、少なくともバルディは不正だとか何か黒い事をする様な人物じゃなかったはずっす)
バルディはあの形ではあるものの、庶民だというのに前領主に拾われた結果の大抜擢で今の地位についている。
充分奇跡的な確率ではあるが、ただ甘やかされていただけならば長年ヴェリトルに仕える文官は、ハーバーの前であれほど笑顔で自分達より若いバルディについて話すことはないだろう。
少なくとも彼らに対して嫉妬など吹き飛ばすほどの力量があり、人柄が良いはずなのだろう。
しかし、一方で通りで見たルシット商会――アルバ・ルシットの姿はこれまた商人としての力を示しており、また領民達に慕われているのがわかりやすい程目に見えた。
基本的に商人は究極的に何と言われようが利益を追求するものである。
その為にはどんな危険な道だろうが護衛なしで街道を駆け抜けたり、高位の貴族相手だろうが手玉に取ろうとする。
まあ全員がそこまで度胸がある訳ではないが、少なくとも大金を稼ぐ商人はそういうものであった。
そんな彼らであるから人に信頼は余りされないものである。その為貴族含め人々には商人の事を、利益の為なら騙し、裏切りなど簡単にすると根底に根付いている。まあ露店を開いてくるものはまた別であるが、必要だから仕方なく贔屓にするのだ。
しかしアルバ・ルシット率いるルシット商会は領民に絶大なほど慕われている。
これが意味する事とは、少なくとも庶民といった者達を思って商売をおこなっているという事である。
そんな世にも珍しい商人であるアルバが、まさかバルディに対して訴えているのだから、果たしてどちらを罰するべきなのか判断がつかなかった。
そしてそれはシゲン、クロノスとて同じである。
今日の視察はルシット商会のやり方を見る為が大半であった。しかしそこに悪意などなく、むしろシュバルツ家に感謝し、買いに来る客の為に商売をする姿があった。
三人は、ますますもって謎が深まるばかりであった。
見てくれてありがとうございます!
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インフルの流行にお気を付けてお過ごしください(^_−)−☆




