〜第1章2部"少年領主と新たな友"〜 地味な策謀
ふ〜、気づいたらもう十一時だなぁ。
いや、二十三時を十一時として四捨五入したら十時だからね、問題ないね(*⁰▿⁰*)
…………テヘッ★
とまあこんな感じで色々試行錯誤を繰り返した結果、ある程度作成が容易(他に比べたら)な物は十年と言う時間と金と人を使う事で出来上がった。
勿論出来たとしても量産だったり、制度の周知という問題上簡単に広めることは難しかったが、職人を動員して量産させる事に成功したいくつかは父さんとタクトが慎重に協議して世に出した。
その中の一つが、今あの男が売っている"千歯扱き"であった。
しかし、実はこれは父さんやタクトに提案した当初は余り賛成されなかった。むしろ蒸留酒の方が勢いよく賛成されていの一番に実現した()
これは冷静に考えればわかる事なのだが、千歯扱きは「作業の手間を短縮」するものであって、直接的に収穫量を増やすものではない。それにシュバルツ領では稲作と麦は二つとも作ってはいるが、麦が主流であった。
米ならば劇的な程効率が何倍も良いが、麦は劇的と言うほどではなかった。
コスト面では櫛の部分が鉄製になるが、それは領内にある帝国有数の産出量を誇る鉄鉱山からシュバルツ家の軍需を簡単に賄う程取れるし、木材資源は腐る程あるので問題ではないのが救いだが、抜本的に利益になり得ない。時間が余ったとしても麦を作るものからしたら対して変わらないのだ。
それより僅かにいる稲作農家の為の仕事を殺す事になるのでお蔵入りになり掛けた。
別に稲作農家に対してはそれに変わる仕事をさせれば良いので問題ではないのだが、わざわざ作るまでのキッカケにはならなかった。
そこで、ふとシゲンはある事を考えついた。
「じゃあ貴族に売ろう」
まず完成した千歯扱きを各村落に無償で貸し出した。実際使えない訳ではないので、多少の手間が省けるのをタダで買えるならばと喜んだ。
その噂をワザと他領に少しだけ大袈裟に広めて、噂が流れるようにして貴族が知る程度にさせた。
そしてウィングが"帝国会議"と呼ばれる年に一度年明けに開かれる一年の指針を示す場で、それとなく
「今領内で"千歯扱き"と言うのを開発しましてね〜それを貴族として領民の為に無償で各村落に配りましてね〜大変喜ばれまして、感謝されてるんですよ〜(意訳)」
と、貴族の自負心を刺激するかの様に話した。
彼らは金を溜め込んでいるのに戦になるとケチになって帝国に押し付ける癖に、シュバルツ帝国を支える貴族として誇りは人一倍高いので、そこを刺激すると一人、また一人と誘われたかの様にウィングにその千歯扱きについて話しを聞いてきた。
そこで上手く千歯扱きを買わせて領民に配らせる様に誘導するのは容易い事容易い事。
流石に全ての貴族がウィングの話しを鵜呑みにして買うほど馬鹿でも無いが、実際に良いものではあるのだ、コストに見合わないだけで。
こうしてコストは安い癖に"鉄が貴重で"だとかで高めにして、飛ぶように何千単位で売りさばいた。
そして千歯扱きは三年程で寿命が来てしまう。その度にまたシュバルツ家に各貴族は発注する様になったのだ。
流石に構造は単純なので真似されるのだが、それでも"シュバルツ大公爵が保証する物"と、"普通の物"では箔が違う為、ある程度広まった後でも需要には絶えなかった。
そんなこんなな経緯がある物だが、ウィングは話しの貴族と話しをする際にシゲンが開発したとバラした為に有名になった。貴族間には感心させ、庶民にとっても名を広げる事になった。
今では商人がその慧眼からから独自に作成した千歯扱きを売りさばいているが、彼らは事あるごとに「大公爵家次期当主のシゲン・シュバルツ様が作った」と言って売る為気恥ずかしい事この上無かったのである。――
(自分で発案しといてなんだけど、なんでこんなに広まったのかなぁ)
クロノスとハーバーが揶揄する中、シゲンは乾いた笑みをこぼしていた。
前書きで調子に乗ってすいませんでした、見てくれてありがとうございました。゜(゜´Д`゜)゜。
誤字脱字等御座いましたら教えて下さると幸いです(*^▽^*)
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今回地味〜に内政分野でやりましたが、何か問題があったら教えてくれると幸いです(*'ω'*)




