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異世界動乱期  作者: 木公
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〜第1章2部"少年領主と新たな友"〜 その頃ハーバーは①

最近、「内政するって言ってたけど、何か違くね?」と、思い始めた作者の木公です( ˙-˙ )


まあ、気にし始めたら胃が壊れるので追い追い内政シーンはちゃんと薄味かもしれませんがやっていきます。


p.s. 昨日ふとpvを見てみたら何故か急増していました。フリーズしました。ありがとうございます(*´∀`)♪

――シゲンがアルバと会談している頃のハーバーは、バルディが領主代行をする前から、長年ヴェリトルにてお役所仕事をこなしている役人達の元を訪れていた。


彼らは新しく領主となる、特にシュバルツ大公爵家の跡取りでもあるシゲンの補佐としてやって来た、自分達より一回りも若いハーバーに対して失礼の無いよう、慌てて仕事を進めていた手を止めて対応した。


しかし、当然ハーバーはそれで仕事の手を止めさせるつもりは更々ない。


「そんなに硬くならないで下さいよ。中央からシゲン様の補佐として派遣されて来た、ハーバー・トライライトと言うっす。これから一緒に仕事をするんすけど、まだ慣れてないんで先輩方に詳しく教えて欲しいんです!」


そう手を振りながらハーバーは気さくに言った。

役人達はそう言われても強張ったままであったが、ハーバーが親しく語りかけてくる姿に渋々仕事を進めた。が、いつの間にやら僅かな時間で旧知の間柄の様に親しくなっていた。


そうして、最初はピリピリとしていた空気も、笑い合いながら穏やかな空気になっていた。

そんな中、気を許してハーバーの仕事ぶりを見ていた一人が、感嘆しながらハーバーを褒めた。


「ははは、ハーバーさんはとても要領がいいですね。この量の仕事をこなし切るとは凄いもんですよ」

「いやいや、それも皆さんの教え方が上手だからっすよ。お陰でこんなに(さば)けられるんです」


と、ハーバーは謙遜したものの、皆彼に対して口々に褒め称えた。だが、素直に褒めれるのはハーバーが見せている態度が大きく関わっていた。


彼らは、長年に渡ってヴェリトルにて働いてきたと言う矜持があった。それが、シュバルツ大公爵家の嫡子たるシゲンが新しい上役となるのに不満などなく、(むし)ろ光栄だと思っているものの、自らより一回り以上も若いハーバーやクロノスに対しては、「こんな若造に……」と言う、胡散臭げに思いを抱いていた。

シゲンの補佐としてやって来た二人の"ハーバーはシュバルツ大公爵家きっての内政官である"とか、クロノスの力量などの情報は、シュバルツ家の中央ではある程度(役人の中では)有名だが、地方では案外噂が広まることはない。そもそもこの時代で有名になるのは武官が圧倒的に多いのである。


戦で武名を誇れば、その戦いに動員された両軍の兵から噂が口々に広まる。無論その功を見る貴族からもである。


だが、それに対して文官組はどうしても武名を轟かす武官組に比べて華がない。「宰相」や「家宰」と言った一家を(まと)める立場の者は公の場に出る事が多いため、名などが知られる事が必然的に増えることもあって評価されていくが、公に出ない文官達が基本的にその力を評価されるには、仕事ぶりを見る同じ仲間かその上司といったくらいである。


そもそも、領民がその情報を得る機会などまず無いので、この時代一番の情報網を誇る"人の噂"に上らないので機能しない。何か世間的に偉大な功績を成し遂げたりしたら別ではあるが……



領民達の視点に立てば娯楽となる事柄が非常に少ないため、こうした話は一つの楽しみとして凄まじい速さで広まりを見せるが、それも領民が知る機会が無ければそもそもの話しが広まる事はない。


役人達が世間を知る情報は領民と同じく、噂か、横の繋がりである役人達から聞くだけとなる事が多い。

横の繋がりとなる情報では、バルディから新しく領主として赴任するシゲンについて詳しく語られてきたが、その補佐役については名前しか聞き及んでおらず、基本的にヴェリトルでずっと働いている彼らにとって、中央の情報は入手困難な上に領民からはそもそも知る由も無い為不可能。

ヴェリトルの役人達は必然的に知る機会が失われており、その力量を知らないのは無理もないことであった。


その為、ハーバーに対してシゲンに不手際を行なって報告されない様に気張りこそするものの、自分より年下にそうした態度を取るのに内心では不満に募らせていた。


だが、持ち前の明るさでハーバーは自らを下に見える様な態度を取り、彼らを持ち上げる事で相手の自尊心を満たしていた。

こうして相手に対して"良く出来た後輩"と、相手側に心から思わせる事で親しくなったのだ。


これはハーバーが狙った事でもある。意識して彼らに好かれる様に行動しているのだ。

彼は元々こうした演技が下手であるのだが、これには背景となる出来事があった。



シゲンに上っ面の不気味な礼儀がばれ、更に当主であるウィングの前でタクト達から指摘された事で、当時のハーバーは、完璧だと思っていた演技がバレバレだったと言われまくってまあまあへこんでいた。


今迄は大公爵家内での政務だったので、変な礼儀でもまあ大きな問題ではなかったのだが、流石にこれからを考えると不味いという事でシゲンに教える傍ら、裏でタクトからしっかりとした礼儀を学ばされていたのだ。


だが、その裏でハーバーのその気さくな性格を、しっかりと使わせるようにタクトは指導した。

なんといっても人に好意を抱かせるのだ、礼儀は最低限取れる様に必要な事項だが、腐らせるのは面白くない。


そのため、ハーバーはその性格を生かして、今の様に親しくする方法を人知れず開花させていたのだった。

流石に感情に左右されない様な相手には意味が無いものの、その力は有力だ。


まあ、ハーバーに取ってはただ礼儀を取らず、普段の性格をさらけ出すだけなので大変楽なものだったが……


見てくださってありがとうございます!


誤字脱字等御座いましたら、教えて下さると幸いです!


これからもよろしくです(・ω・)ノ

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