〜第1章2部"少年領主と新たな友"〜 訴え
書いている際に、保存を忘れて一回やり直しを味わった作者です←
皆さんが書く際は、こまめに保存するようにしましょう(-.-;)y-~~~
「シゲン様、私共このジェネシア帝国にて暮らす者として、シュバルツ家に対し喜んで税を納めております。しかし、あのバルディめはそんな帝国臣民たる我らに対して"納める税が少ない"として今迄の二倍を超える量を納める様命令したのです」
そう告げると大仰に手を広げて訴えかけた。
「我等ルシット商会はしっかりと納めておりました。それは私共だけでなく、他の商会でも同じ事で御座います。なのに!なのに彼奴は更に取り立てるのです。あのバルディの姿を見ましたか?彼奴のあの豚の如く肥えた姿を!あの輩こそ、我等から取り立てた税を着服しているに決まっております!」
流石にその暴言にはやんわりとクロノスは釘を刺した。
「アルバ殿、流石に領主代行……今はその役を解かれたと言え、彼はこのヴェリトルの筆頭文官として職務を行なっているのです。そこまで言うからにはその不正と言う証拠はあるのでしょうか?」
「それは……確たる物証は御座いませんが、、しかし、彼奴が代行となってからの取り立てを見れば一目瞭然でしょう。いくらなんでも二倍以上にまで引き上げられるのは可笑しいのです」
そう言うと、アルバは箱を取り出して蓋を開け、中に入っていた紙の束を取り出した。
「シゲン様、これは私を含めたこのヴェリトルにて商売を営んでいる者共からの嘆願書です。何卒お目を通してくださいませんか」
クロノスは、そう言って手渡された束を受け取り、それぞれの中身を読んだ。
しばらくじっと見ていたが、見終わったのかその紙をシゲンに渡した。
「シゲン様、確かにアルバ殿が言った通りです。どれも"バルディの悪政を辞めさせて欲しい"と言うふうに書かれています。少なくとも二倍以上に取り立てられたというのは本当の様です」
そうクロノスが言ったのを聴きながらシゲンはじっと渡された嘆願書を見る。
「何卒バルディ代行が引き上げた税を戻していただきたい」
「我等から搾り取った税を、あのバルディは裏で使って、我等の血肉で彼奴を肥え太らせているのです。何卒バルディに厳正なる処罰を」
(どれもバルディが行った税制を戻し、バルディの処罰をするように願っているな……少なくとも商人の連中の話だけだとバルディは"黒"か)
「アルバ、貴重な情報を伝えてくれて感謝します。お陰でバルディめに騙されずに済みそうです。同業にも伝えてください、"今迄バルディによって受けた被害を是非共教えて貰いたい"と」
「おお、それは」
「シュバルツ大公爵家の嫡子として、ヴェリトルの領主として、国家の益を害する者は決して許しませんだから安心して、この国の為にバルディの悪行を教えて欲しい」
そうシゲンが断言すると、彼は笑顔になって礼を述べた。
「シゲン様にこうして宣言して貰いまして、同業者、いやバルディによって被害を受けた者を代表して、深く感謝致します」
そう言って上機嫌で、そのまま礼法に揺らぎは無いものの、話す事は終わったのかさっさと帰っていった。
彼が帰った後、側に控えていたクロノスはシゲンに聞いた。
「アルバの話を聞いてどう思った?少なくとも俺には嘘をついている様には見えなかったな。大袈裟にいっている感覚はあったが、あの嘆願書は本物だろう」
「ああ、確かに私も彼が嘘を言っている様には見えなかった。」
そうシゲンが返すと、クロノスは頷いた。
実際に、アルバは大袈裟に言っているものの、何一つとして嘘は言っていない。確かに彼ら商会に対して二倍以上の税率を引き上げられているのだ。バルディに対して処罰を求めるのも確かに筋が通っていた。
「しかしシゲン、まさかもうバルディを処罰する気になったのか?流石に一方だけで判断するには早く無いか、アルバにあんな言わなくても良かっただろ。もう彼奴はバルディを処罰すると思っているぞ。」
だが、多少心配に思ったのだろう、茶を飲んで一服しているシゲンに、クロノスはそう聞いた。しかし、シゲンは不敵に笑って答えた。
「ああ言っとけば、変に警戒されなくて済むだろう?それに私は国家の益を害する者を、許さないと言っただけだ。間違ってはいないだろ。」
見てくれてありがとうございます!
誤字脱字等御座いましたら教えて下さると幸いです(#^.^#)




