〜第1章2部"少年領主と新たな友"〜 領地へと旅立つ
…………先日は活動報告で散々遅らせながら昨日も投稿できず、大変申し訳ございませんでした
m(_ _)m
……次は金曜日になります。しばらく投稿がまちまちになるかも(というか既になっている)ですが、なるべく多く投稿出来るように頑張ります!
クロノスが叔父上によってゲンコツを落とされたその日の晩、シゲンは家族と夕飯を取っていた。
「最近の調子はどうだ?シゲン。あれからお前も十五になり、随分と逞しくなったな」
「ええ、大公爵家を継ぐ者として周りに誇れますわね」
そう、父さんと母さんが言った。……十年の歳月が経ったというのに、どっちもまるで姿が変わってない。
少なくとも四十代前後になっているはずなのに若々しい、、いや、父さんはちょっと眉間にシワが増えてる気がす「シゲン、何を考えているんだ?ん?」
・・・・「いや、何でもないです」
何かを察知したのか、父さんがこっちをジッと見つめてきた。目を逸らしながらさも何もないように答えたら、漠然としながら驚きなことを話した。
「う〜ん、今何か眉間について何か失礼な事を思われたかと思ったが、、まあそれは良い。シゲン、お前にはこれから三十程の村落を実際に治めて貰うことにした」
父の感が冴え渡るのをびくっと恐怖を感じたものの、それに続いてさらりと言われた一言に、シゲンは食いついた。
「この私が、ですか?」
「ん?ああそうだ。この先は、その何十倍という数の村落、町を治めていかなければならん。タクトから色々学んでいるのはわかっているが、実際にやってみないといかんからな」
シゲンにとって、不思議と驚きは無かった。何故なら元々この大公爵家に産まれた時から、何時かやらねばならないと思っていたのである。父に言われた時は、"ついにその時が来たか"と思ってのだ。
「お前が今クロノスと続けている修行だが、クロノスもその領地に一緒に着いていかせて、大変だがそれは続けてもらう。と言ってもタクトとハーバーとの修行はこの村落の経営に変わるから、実質的にはアルノルドとだけだがな。アルノルドの都合が合う時に行かせる」
それを聞いて、シゲンはウゲッと思った。
タクト達とは基本的に学習であり、たまにあるマナーの講座は前世で社長を務めたため飲み込みは早く、特に苦にはしないものであった。しかし、アルノルドとの修行では、戦講義は楽しいものの、武芸の時はコテンパンに扱かれ、身体の限界寸前まで追い込む為に護身の為と自らが言い出したとは云え、少しだけ休めるかなと思っていたからである。
「大体はお前に一任する。補佐にはハーバーを付ける。何か行う時はハーバーに聞け」
その一言には驚いた。ハーバーはあれでも筆頭文官の一人である。若手ながらもその能力は凄まじく、「事務処理係としてはこれ以上の者はいない」と、タクトをして言わしめたほどの人物だ。
それ故に毎日毎日、大公爵家における雑多な政務をいくつもこなしており、時には家宰代理として動く時もある。
その為、まあそもそもシゲンの修行に現役の将校と家宰を付けている時点で中々ではあるのだが、いつもの政務に加えて、シゲンの補佐を務めて大丈夫なのかと思ったからである。
「ハーバーだと気心が知れているので有り難いですが、忙しくはないのですか?かなりの量の政務を、私と修行を行う時もやっていたと聞きましたが……」
そうハーバーを心配して聞くと、父は笑って不安を吹き飛ばした。
「なんだ、不安そうな顔をしてどうしたかと思ったが、、それは大丈夫だ。その間はハーバーの政務は最低限に留める。その分皺寄は来るが、その程度で揺らぐほどこのシュバルツ大公爵家の文官の層は薄くない」
その言葉を聞き、安心してハーバーとやれるとシゲンは思った。
「明日、明後日は家でゆっくりと休んでおけ。二日後に、お前が実際に治めてもらう領地と為る地に行ってもらう。まあ大体二年くらいはやってもらう。十七になったら領内の軍事学校で、実際の軍事を学んでもらうつもりだから今の内にしっかり政務を学べ」
「わかりました」
そう聞いて、どんな風にやっていこうか頭の中でシュミレーターを取っていると、急に可愛らしい声が聞こえてきた。
「兄上!頑張って下さい!」
そう言ってきたのは、シゲンが六歳の時に母が産んだ弟の"クロム・シュバルツ君(九歳)"である。
……気づかない間に、何時の間にか二人目をこさらえたらしい。シゲンは、髪の毛は母親と一緒で水色の髪の毛を持ち、目は父親と同じ金眼である。一方でクロムはその反対であり、髪の毛は父親と同じ銀髪で、目は母親と同じ紫色である。
シゲンにとって、前世である"佐竹奏"時代でも弟は居らず、更に今世では自身より年下の子供と触れ合う機会など皆無だった為、初めての弟として、溺愛してしまうのは仕方のない事であろう……
「ああ、頑張ってくるから、クロムも僕がいない時はしっかり学習するんだよ?」
「はい!」
そう元気良く返事を返してくれるクロムに対して、シゲンは自然と気分が良くなっていく。
その様子を見ていたエリザは、ウィングに優しく話しかけた。
「ねえ、貴方。私たちの息子は仲が良くて良かったわね。この調子ならクロムはシゲンを良く支えてくれるわ」
「ああ、そうだな。シゲンはこれから政務、軍務の二つを実際の経験後に、大公爵家当主としての役割を徐々に譲り渡していく。血が滲む程苦労するが、クロムにはクロノスと同じくシゲンを助けてもらおう」
そうして良い雰囲気のまま、晩の食事は終わり、あっという間に領地経営を始める二日後になった。
日が昇る前に準備をして、補佐をしてくれるハーバーと、クロノス、そしてその間の護衛を務めてくれる騎士を連れて屋敷を後にした。
「それでは父上、母上、行って来ます」
朝早くながら父と母は見送りをしてくれた。
「ああ、しっかりと領民の声を聞いてこい。ハーバー、シゲンを頼むぞ」
「シゲン、母は貴方の頑張りを見守っていますからね、焦らないようにね」
その言葉が暖かった。
「シュバルツ大公爵家の一員として、しっかりと責務を果たしていきます!」
そう、家族に答えた。
「シゲン様、そろそろ行きましょう」
そうハーバーに言われて、馬車に入った。
馬車は動き出すとあっという間に父と母の姿は遠ざかっていった。
馬車が視界から消え去ってもウィング達はその場に立ち尽くしていた。ふとエリザがぽつりと言った。
「行ってしまいましたね」
ウィングもポツリと返した。
「……ああ、そうだな、、」
見てくださってありがとうございます!
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