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異世界動乱期  作者: 木公
25/45

〜第1章2部"少年領主と新たな友"〜 そして十年が過ぎた

一万PVありがとうございます(*´∇`*)

これからもよろしくです( ^∀^)


さて、今日からタイトル通り十年の時を一気に飛ばしました。ここから内政パートに入ります!


…………………………


あれから十年の歳月が流れた。


「お〜いシゲン!今日も修行頑張ろうぜ!!」


そう笑ってシゲンの元に走り寄って来たのは、十五歳になり、段々大人らしい顔つきとなったクロノス・フロイラムであった。その太陽の如き笑顔は、いつも皆を自然と笑わせる力があった。


「ああ、今回はアルノルド叔父上とだ。今日こそはお前に負けない!」


そう答えたのは、クロノスと同じく十五歳になったシゲンであった。まだクロノスと比べて子供っぽさは抜けきってはいないものの、その体つきはしっかり鍛え上げられており、鍛錬のほどがよく伺える。


シゲンはその時、ふと昔の事を思い出していた。


(思えばあの時、まだクロノスとは今と違って真の友達じゃなかったんだなぁ)


十年前、あのクロノスと初めてあって直ぐに話し合いをしたあの日。

あの後クロノスは、父であるレビンと一緒に家に帰った後、一週間ぐらい話し合いを続けたらしい。……一体何を話したかは知る由もないが、次に会った時は、見違えるように雰囲気が変わっていた。


自分に会った時、まず第一声が


「むだにめいわくをかけてすいませんでした!」


だった。しかし、次の瞬間こう言ってくれた。


「これからでも、まだシゲンさまの"友達"になれますか?」


と、心配そうに聞いてきてくれた。

その声は、自分がシュバルツ家次期当主とい事から敬う声ではなかった。ただ"友達"になりたい!という子供の気持ちが滲んでいた。勿論答えは、


「あたりまえだよ、よろしくねクロノス!」


そこからはトントンと仲が深まっていった。アルノルドだけではなく、タクト、ハーバーともタクトと一緒に学んでいった。年月が経つにつれて、最初はまだ微妙に敬語が残っていたけれど、気づいたらタメ口になっていた。


勿論公の場だったらしっかり主従の関係にもどるが、それでも"親友"として本当の絆を築くことが出来た。


そうしみじみと思っていると、アルノルドがやって来た。


「よし、今日は武芸の稽古だな。さ〜て、シゲンはクロノスの連勝記録を破れるか楽しみだ」


そうニヤニヤしながら言ってきた。

チッ、前に叔父上は「別に下手で構わん」って、言っていたのに、無駄に煽りやがって……まあ負けたくないから頑張るけど。


アルノルドが喋ったのを聞いたクロノスは、笑いながらシゲンの肩を叩きながら喋った。


「はははは、アルノルド様〜、今の連勝記録は五百十二勝、何回やったって負けませんよ」


、、、、くっ、最初は前世を合わせた年の功(別に武芸を学んでいた訳ではない)を使って色々やって勝っていたけど、次第に負け続けるようになったから言い返せない。……ま、まあ武芸の才能は負けているけど、タクトやハーバーとの知恵の面ではまだ勝てているからいいけど。


そう笑ったクロノスに対して、アルノルドはゲンコツを頭にぶつけた。


"ドゴッッ"


「まあ、そう言いたくなるのはわかるが油断をするな!そこが危なっかしいから気をつけろって何回言ったら分かる!!」

「ッッツツ!?痛たいじゃないですか!」

「ど阿呆、そんなもん避ければいいだろ」

「避けたらもっとやるでしょ!?」


――こんな日々が続けばいいんだけどなぁ――


そうシゲンは思った。しかし、運命の魔の手(父と家宰)はそれを許すわけがなかった…………





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


同時刻:シュバルツ家大公爵邸書室


「さて、もうシゲンは十五になったか、、」


そこには、当主であるウィングと、家宰であるタクトの二人がいた。


そう感慨深そうに言ったウィングに、笑顔でタクトは言った。


「ええ、健やかに、特に問題なく育ちました。クロノスはとても優秀で、シゲン様にとって良い競争相手になってくれました」

「ああ、シゲンは何者かの意思が入っているのだ。特に何もしなければ意味もなくダラダラと時が過ぎるだけで無駄になるが、クロノスのおかげで切磋琢磨してくれたから、今では帝国一優秀の息子だと誇れる」


そう何処か自慢そうにウィングは胸を張りながら言った。


まあ実際クロノスがいなかったとしても、既にこの世界に対して嫌な予感を感じていたシゲンは、全力で学ぶつもりであったので別に無駄な時間になりはしない。

それでも、"親友"であり"ライバル"でもあるクロノスと出会った事で、シゲンにとってプラス方向に働いた事には違いない。


タクトは、自慢そうにしている当主に対して真面目に告げた。


「……シゲン様は遂に十五歳となりました。そろそろ領地経営を実際にやらせてみてもよろしいかと」


その言葉に、緩んだ頰を引き締めて言った。


「そうだな、、シゲンが産まれてから十五年が経った。その間にこの帝国は私が気づかない内に後継者争いが起こってしまった。我がシュバルツ家は"ハク派"

"トレディア派"どちらに今はつくわけにもいかん。それ故にシゲンに他の貴族と関わらせる訳には行かんから表には出さないようにしたが……そろそろあいつがひとり立ちするようにしないとな」


そう苦々しく言ったウィングに対して、タクトは謝罪した。


「申し訳ありません。帝都にいたマジョルドム老を通じて常に探っていたのですが、、何者かがハク殿下とトレディア殿下を使って内紛を起こさせようとしたのは把握しておりますが……」

「いや、お前達は悪くない。大公爵として、私が内紛の種は事前に潰さねばいかんのを、出来なかったのだから。……ハク殿下とトレディア殿下で貴族共が次の皇帝にしようとした時に、陛下がハッキリと後継を決めると思っていた私に責がある。なまじハク殿下とトレディア殿下の仲が良いと知っていたから油断した、、」


そうウィングは言った。現在帝国は真っ二つに次の皇帝は誰かで揉めている。長兄の"ハク・ジェネシア"と、次兄の"トレディア・ジェネシア"の二人をそれぞれ幾多の貴族は担ぎ上げている。両者共に優秀な人物で、皇帝になりえる器があった。


二人は双子で産まれたものの、先に産まれたハクを長兄として、実際次期皇帝はハク・ジェネシアになると言われていた。

しかし、ある貴族が「双子で産まれたのなら、兄や弟など関係ないではないか!」という、既に長兄として定めたのにそれをぶち壊すような事をはっちゃけた者がいた。


当初は、ウィングを始め、他の高位の貴族らは流石にこの程度で表面的に決まった次期皇帝の座を争うということはしなかったが、時の皇帝である、ハンブルク三世は、その噂が広まっても何ら対処せず、次期皇帝はハク・ジェネシアだといつまでも言わず、あるパーティーで、ある貴族がハンブルク三世に噂が広まっている事について聞かれた時、「確かに双子なのだから兄や弟など関係あるまい」と、公の場で言ったことから一気に燃焼したのである。


ウィングにしてみたら序列を考え、長兄とされるハクを次期皇帝にしたいが、もし皇帝が次期皇帝をトレディアに定めた場合非常に面倒くさい事になるため、どちらかにつく事は現状出来なかった。


タクトは、気を取り直すように話しかけた。


「ウィング様、取り敢えずシゲン様にそろそろシュバルツ家を継ぐ事を考え、多少の村落を預けてみましょう。補佐はシゲン様と仲の良いハーバーに任せます。彼なら、今の仕事にシゲン様の補佐を回しても余裕でこなしますから」


そう言ったタクトに、ウィングは頷いた。


「そうだな。今までの学習の成果を出してもらおうか」


そうして、シゲンがシュバルツ領のいくつかの村落を実際に治める事にサクサク決まった。


こうしてシゲンは益々忙しくなっていくのである。






見てくれてありがとうございます!


誤字脱字等ありましたら教えて下さると幸いです!

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