〜第1章2部"少年領主と新たな友"〜 友を得たい
大変失礼しました。再開でございます。
今日は長めの一話で明日に回します。
……まさか謝罪している時にブクマが増えるとは思いませんでした。ありがとうございます( ;∀;)
「大公爵閣下、レビン・フロイラム及びクロノス・フロイラム、ただいま参上致しました。中に失礼させていただきます」
「……あぁ、入れ」
クロノスが何で呼ばれたんだろう?と、疑問に持ちながら入室した書室には、部屋の主人であり主君である
"ウィング・シュバルツ"と、次代の当主である"シゲン・シュバルツ"が待っていた。
シゲンは、将校としての風格を漂わせながら入室した
レビンと、好奇心を微妙に滲ませているクロノスの二人を見ながら、少し前の事を思い出しながらワクワクしていた。
(おぉ、レビンって言う人は、アルノルド叔父上が言っていた通りになんか……将として?の貫禄が出てるなぁ〜)
(隣にいるのが、"友達"になってくれるクロノス君か、、どうやって話しかけようかな♪)
……時は数時間程前に遡る。
〜シュバルツ邸食卓の間、朝食時にて〜
アルノルド、タクト、ハーバーとの修行を続けていたある日、いつも通り朝の鍛錬を終えて、家族と朝食を取っていた時だった。
父であるウィングや、母であるエリザは当然ながら"大公爵"として様々な政務や他の貴族との交渉、更に友好を深めたり、情報を収集の為のパーティやお茶会に出席する為、シュバルツ領ではなく帝都にいることも多く、そもそも出兵などで何ヶ月もいない時もままある為、一緒に食卓を囲む日は多くはない。その為ウィングやエリザは、時間が取れる日は絶対と言っていいほど一緒に食事を取るようにしている。
そんな貴重な時間の中、家族と談笑しながら食事をとっていると父が唐突に話しかけてきた。
「そうだシゲン、今日からお前に"臣下"となる子と一緒に修行をしてもらうぞ」
いきなりそう宣告されて固まったものの、直ぐに問いかけた。
「ちちうえ、どういうことですか?まったくけいいがわからないのですが、、」
"臣下となる子"って事は、恐らく同年代の子供だろうけど……まあ今まで同年代の子供と会う機会は、ハンブルク三世陛下のパーティで殿下逹と会ったとき以来だからなぁ。
あのパーティが自分がシュバルツ領から出た最初で最後だったからあれ以来ずっとこの邸宅にいたからな。
市街には子供達が遊んでいるけど自分がそれに混ざるなんて身分的にも安全的にも不可能だからなぁ。
そう自分がしみじみと考え込んでいると、母が話しかけてきた。
「シゲン、"臣下となる子"は、貴方とちょうど同い年なのよ。その子の名前は"クロノス・フロイラム"、フロイラム家はこのシュバルツ家に代々使えて多大な武功を挙げているの。父はレビン・フロイラム、アルノルドと同じく将校として活躍しているわ」
そこで一旦話を切ると、微笑みながら話を続けた。
「クロノス君には貴方と一緒に、修行を受けてもらうの。将来的には臣下という関係になるけど、今は同じ先生を持つ"友達"になりなさい。親友となれば大人になった時に心強くなるわよ」
……友達か、、
すると父が優しい目を向けながら言った。
「お前が無事に当主となった際、色々精神的にキツくなるほど孤独を感じたりする事になる」
肉を切っていたナイフの手を止めた。
「そんな時、心を許す友がいるといないのでは話が変わる。私にとっては妻であるエリザにシゲンとこうして話す事は癒しの時間だ。だが、友と話すのも疲れた心を癒すのには最適だ」
「だからシゲン、お前には主従として信頼関係を築くのは当然だが、私としてはこのクロノス君と"親友"になって欲しい」
そう話すと、自分の目をジッと見つめた。その目からは不思議と柔らかかった。
その時、口から考える間もなく言葉が出た。
「もちろんです。ぜったいクロノスくんと"しんゆう"になります!」
生まれてから五年、自分は家族に貴族として色々面倒なことはあったものの、愛されて育った。殿下である二人とは仲良くなった?ものの、あれ以来帝都に行っていない。
真の友達はまだ出来ていなかったのだ。貴族としてそんな存在は難しいとは思っていたのだが、そんな時に
父から"友になれ"という事を話されて飛び込んでしまった。
シゲンは思う、ただひたすらに(親友になりたい!)と、
そんな様子を見ているウィングとエリザは、顔を見合わせて微笑んだ……
ちなみにエリザはシゲンに何者かの意思が入り込んでいることには気付いていた。理由としては単純に「腹を痛めた子だもの」……だそうだ。
ただ証拠となるような物が無かった為、特にウィングに伝えようとはしなかったのだ。……アルノルドと同じように、もしウィングがシゲンに何かしようとした時はぶん殴るつもりでもいたそうな、、
〜そして冒頭に戻る〜
入室してきた二人にウィングは話し始めた。
「よく来てくれた、急ですまんなレビン」
「いえ、特に今日はありませんですし、臣下として馳せ参じるのは当たり前の事です」
そう答えたレビンに対して笑いながらウィングは、
「はっはは、相変わらずだなぁお前は。……じゃあ、手紙で呼んだ通りに……いいな?」
レビンははっきりと答えた。
「はい、クロノス。お前にはシゲン様と共にこれから修行してもらう。それにしたがってこのシュバルツ邸に住んでもらう」
その言葉にクロノスはレビンに驚いたように喋った。
……えっ、知ってなかったの?断られたら嫌だなぁ、、
「それなら、」
それなら、なんだ?
「それならもっとはやくいってください!びっくりするじゃないですか!」
「い、いや「だいこうしゃくけにつかえるみとしてめいよなことなんですよ!」お、おう。」
お、おう、、こんなに乗り気なのか。
……あれ?これ一緒に修行しても友達になれるか?
そう冷や汗を少しシゲンはかいた。
これがシゲンにとって初めての"親友"であり、この先長い世を臣下として、友として共に歩んでいく"クロノス・フロイラム"との最初の邂逅であった。
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