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【青春】人を知るきっかけ

【お題:雨、少年 テーマ:人は見かけによらない 文字数:499字】

 雨の日の帰り道。

 公園で泣きじゃくる少年に、傘を差しだす女子生徒を見かけた。


「……そう、友達と喧嘩しちゃったのね?」

「……ぅん」

「そっか……。でもちゃんと反省できたのはえらいぞ」


 近所の子供だろうか。

 ハンカチで涙や泥を拭ってあげて、開いたままの黄色い傘を拾ってあげていた。


 彼女の笑顔を、私は学校で見たことがなかった。

 気が荒い不良生徒とは思えない、柔らかな表情。


「一人で仲直りできる? それとも、お姉ちゃんも手伝おっか?」

「……ううん。明日ちゃんと謝る」

「だったら、もう大丈夫!」


 にっこり微笑む姿に、少年のしゃくり声も少しずつ落ち着いてくる。

 どれだけの時間見守っていただろう。

 顔を上げた少年は、小さく笑っていた。


「ありがと、お姉さん」

「どういたしまして。気をつけて帰ってね」

「……うん!」


 バイバイって手を振って、二人は別れた。

 私もその場を離れようとして、そのとき、振り向いた彼女と目が合った。

 途端、顔を引きつらせたと思ったら、険しい表情で舌打ちして。


「……おい、テメェ何見てやがる」

「ご、ごめん」


 睨まれた。けど不思議と恐怖心は湧かなかった。


 ……ひょっとしたら彼女と友達になれるかな。

 なんてことをふと思った。

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