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【シリアス?】昔夢見た未来の自分
【お題:雲、過酷 テーマ:無謀な夢 文字数:500字】
子供の頃の夢を叶えるのが、こんなにも過酷だなんて思わなかった。
「……次……次こそは、ッ……!」
「お、おいそろそろ諦めた方が……」
背後から友人の声が聞こえる。
俺の集中力に限界がきていると気づいているのだろう。
いくら安全とはいえ、一歩間違えば死に至る綱渡りを数十回と続けていれば精神は摩耗する。
そんなこと、分かっている。……でも、
「もう年を考えろ。いい加減分かったろう、おまえの夢は絶対に叶わな――」
「世の中に“絶対”なんてねえ」
でも、諦めるわけにはいかないんだ。
友人の言葉を断ち切るように、自分に言い聞かせるように、断言する。
風に煽られる髪を押さえて、遠くを見据えようと目を細める。
「分からねえだろ、やってみなきゃ。もう後戻りなんてできねえ。……だって」
――ここで諦めたら、子供の頃の俺に目を合わせられないから。
「……わかったよ。好きにしろ」
友人の手が肩に置かれる。覚悟が、決まった。
深呼吸を一つ。空の彼方へと、身を投げ出して、
腹の底から、地平線に向けて叫ぶ。
「俺は絶対、雲の上に乗るんだぁぁああああっ!!」
昔憧れた、ふわふわのお空を散歩することを夢見て、
今日も俺はスカイダイビングに挑戦する。齢38。




