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【バトル】剣戯を極めし者たち
【お題:風、無敵、罠 テーマ:やるからには全力で 文字数:499字】
風をも薙ぐ一閃はしかし、彼女の懐には届かなかった。
すかさず刃を翻して追撃。だが不意打ちの一撃すらも、奴は正面から剣を合わせる。
「……いまのを読むか」
コイツ……強い。
だが鍔迫り合いなら俺に利がある。必然、奴の剣は徐々に押され、
奴の口元がニヤリと歪んだ。
「衰えたものだね、レン」
「……何だと?」
「瞳に映るモノすべてが誠とは限らない。――そう語っていたのはキミじゃないか」
刹那、パン! と乾いた音を立て、敵の獲物が爆ぜた。
そう、奴が握り、俺が剣と思い込んでいたものは――
「偽物だと……!? バカな!?」
次の瞬間には、彼女は俺の背後に立っていた。
足に力が入らず、崩れ落ちる。
ここでようやく、俺は奴に斬られた事に気がついた。
「盛者必衰。……あっけなかったね、『無敵の風』よ」
かつての俺の二つ名をつぶやく彼女の表情は、どこか寂しげで。
俺の意識はそこで途切れた。
敵なしと謳われた最強剣士の――あまりにあっけない最期であった。
「……あんた達、チャンバラごっこでよくそこまで本気になれるわね」
背後から漏れるあきれ声。俺と皐月は厨二モードのまま、ふっ、と笑う。
「愚問だね」
「遊びだからこそ、本気じゃなきゃ面白くないんだよ」




