【ファンタジー】魔女高校生の日常
【お題:日記、お月さま、しゃれこうべ テーマ:ミステリアスな日常 文字数:500字】
満月の夜は、最も魔力の高まる時間帯。
つまり私だけの時間だ。
「ねぇベコ、こんな日は空の散歩でもしたいと思わない?」
なんて髑髏のベコに話しかける。いつも通り無反応だけど。骸骨の使い魔って神秘的だけど、しゃべらないから退屈だ。
森の奥ではふくろうが鳴いている。木々の隙間からは星が瞬いて、
……あれ? そういえば明日の魔法薬の調合したっけ? あと学校の宿題も。
……急に現実世界に引き戻された気分。
「あー、もー死にたい! 現実逃避したいー!」
クラスの友達に言ったら「魔法使いが何言ってんだ!」とかツッコまれそう。
でもイヤなものはイヤなんだし、仕方ないじゃん。
もういっそ今日は寝ちゃおうか。日課の日記だけさっさと書いてさ。
うん、そうしよう。
「『今日は何もないすばらしい一日だった』、っと」
あれ、思ったより味気ない。まるでぐーたら過ごした夏休みの宿題みたいだ。
……よし、予定変更。
「何もなかったなら、今から探しに行けばいいってね!」
指をパチンと鳴らし、箒を一本呼びよせて。
「いくよベコ!」
箒に跨がって、飛翔。
セーラー服と黒ローブ、三角帽子を風ではためかせて、夜空を駆ける。
お月さまが笑っている。私の夜はまだまだ終わらない。




