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【青春】今は昔のツンデレ少女

【お題:曇り、幻、ツンデレ テーマ:失われゆく文化 文字数:500字】

 暴力や誹謗中傷が過度に嫌われる今の世では、過去の美的価値観すら炎上の対象だ。

 それは文化の消失でもある。体罰にパワハラ、ムダな根性論。その大半は悪しき文化で、そんな慣習はいらないと、今では多くの人が答えるだろう。

 でも、そんな時代の流れに消された()()()も……どうか忘れないでほしい。



「……泣くなよ」

「……」

「ほら。いつものおまえらしく、あんな連中気にせず――」

「うっさい! 泣いてなんかないわよ!」


 バシッ、と、差し出したハンカチを強めに弾かれた。

 こちらを睨みつける瞳はいつものように理不尽で……でもどこか元気がない。


 いつの間にか空は、曇りから雨に変わっていた。

 濡れたまま再び目を伏せる彼女に、俺はやれやれと首を振る。


「おまえ傘忘れたろ。もう手遅れっぽいけど、入ってけよ」

「ハァ!? なんであんたなんかと相合い傘しなきゃなんないの! キモいんだけど!」

「……はいはい、嫌なら無理強いはしねえよ」


 こんな毒舌じゃクラスに馴染めなくて当然だな。

 俺は嘆息一つ、傘を引っ込めようとして……止められた。


「…………イヤとは、言ってないでしょ」

「……そっか」


 今やラノベでも幻となったツインテール少女の赤面に、俺は小さく微笑んだ。

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