57/100
【青春】小さなお昼の友達
【お題:空 文字数:500字 テーマ:ほのぼの一人ぼっち】
心地よいそよ風が頬をなでた。
頭上の木の葉がさらさら揺れて、膝の上で木漏れ日が躍る。一人ぼっちの昼休み。
「……いい天気だなぁ」
のんびりと、いつもよりスローペースで、お弁当をつまみながら。
流れる雲をぼんやり眺めて。
遠く、校庭からは同級生達のかけ声が響く。
僕にとっては別世界だ。
――カサカサ。
「あ、やっときたね」
茂みから小さな影が二つ、現れた。
子猫と子犬が一匹ずつ、よちよち歩きで僕に近づく。
「みぃ?」「くぅん」
「よしよし。ちゃんとキミ達の分もあるよ」
タッパーを二つ取り出し、二匹の前でふたをとる。
おこづかいでこっそり買ったペットフード。よほどお腹がすいてたのか、すぐさま飛びついてきた。
その様子に僕も笑って、ご飯の箸も自然と進む。
最近、友達と食べるお昼がこんなにおいしいって、初めて知った。
「……ふぁ~ぁ」
食べ終わったらあくびが出てきた。
いつの間にかタッパーも空になってて、二匹は僕の両足に身を寄せ、丸くなっていた。
すやすやと幸せそうに、無防備な寝息を立てている。
「……ごめんね、うちじゃ飼ってあげられなくて」
でも、せめて今だけは。
二匹の友達を静かに撫でて、午後のチャイムまで、僕はまどろみに身を委ねた。




