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【日常】中身って変わっても案外気づかない
【お題:月、パズル、家の中の剣 テーマ:フラグ 文字数:498字】
最近、弟が鬱陶しい。
昔から勇者とかになりきるごっこ遊びが好きな奴だったが、その中二病が妙に悪化したのだ。
「兄上殿! 妾の剣は何処か存じぬか!?」
「あー、あのおもちゃの剣な。押し入れの奥に封印したよ」
「な、なんてことを!? あれは妾の國で代々祀られし伝説の聖剣ぞ!?」
「おまえが家ん中でぶん回して遊ぶのが悪い。てかその設定まだ続いてたのか」
普段なら1日2日で飽きるのに、今回は一ヶ月同じキャラとは。
設定も地味にリアルだし。演技力はまるで一流の劇団員だ。なんか腹立つ。
「無論、戦い続けるのは当然であろう! 月の魔族を滅ぼしにゆくまで、妾は決して諦めぬ!」
「え、ナニおまえ月に行きたいの?」
こいつ宇宙飛行士になるのが夢だったのか。すげぇ意外だな。
でもいいこと聞いた。面白そうだし少し手伝ってやるか。
「じゃはい。これやるよ」
「? なんじゃこれは?」
「白パズル」
宇宙飛行士試験おなじみの問題だ。しかも300ピースの超難問。
「それ解けたら剣返すの考えてやる」
「ふむ面白い! その難関、受けてたとうぞ!」
胸を張ってやる気を見せる弟。だが甘いな。これで数日はうるさいのが静かになる。
奴に人間離れした集中力でもない限り、な。




