表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/100

【青春】強がり

【お題:性格、空港 テーマ:遠ざかる背中 文字数:470字】

「……行っちまったな、アイツ」


 空港の窓から、飛び立つ飛行機を見上げて。

 嬉しそうなのに、どこか悲しそうな作り笑いで、拓斗はポツリと呟いた。


「まさか、本当に海外公演が決まるとはな。英語もロクにしゃべれねえくせに。あのバカはホント……」

「……心配してるのか? 蓮のこと」

「まさか。あの負けん気でクソ図太い性格なら、どこ行っても絶対成功するよ。10年も隣にいた俺が言うんだ、間違いねえ」


 まるで自分のことのように、誇らしげに言う拓斗の表情。

 なのに……なぜだか僕の胸が締めつけられる。


「……なぁ拓斗」

「ん?」

「おまえは、その……よかったのか?」


 僕の質問に、拓斗は数秒、口を閉ざすと。

 何言ってんだよ、なんて、自嘲気味に笑った。


「俺は、アイツほど辛抱強くなかった。当然の結果じゃねえか。悔いなんかねえよ」

「……だったら」

「ま、俺にバンドは向いてなかったって事だな。収まるべき所に収まったっつーか」

「だったら! …………なんで、泣いてるんだよ」

「…………え?」


 かつて無名だった二人組の片割れは、ひそかに涙を流していた。

 その涙の重さを、僕は量ることができなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらは「徒然なるままに500文字小説」の姉妹作品(現在連載中)です。
500文字よりほんの少しだけボリュームが増えています。
よろしければ、ぜひこちらもお楽しみください。
【徒然なるままに1000文字小説】
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ