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【グルメ】最強の自家製ハンバーグ
【お題:黄色、最強、かけら テーマ:神 文字数:498字】
うちの弟は“神”が大好きだ。
ゲームでも歌でも何でも、卓越した何かに感動すると、彼はそれをやたら“神”と賞賛するのだ。
あと“最強”って言葉もよく使いたがる。
「やったハンバーグ! 姉ちゃんの作るハンバーグは神だからなぁ!」
食卓に皿を並べると、弟が行儀悪く身を乗り出してきた。
はしゃぐ弟を私は「はいはい」と適当に流す。
というか神認定って、アンタ何者だよ。神を選定する上位存在か。
「ほら席着いて。冷めないうちに食べよ」
「うん! いただきます!」
と、いきなりハンバーグにかぶりつく弟。
幸せそうな笑顔だ。やれやれと肩をすくめつつ、私も箸をとり、ひとかけら口に入れる。
噛みしめる度に広がる、肉の旨味と玉ねぎの甘み。溢れる肉汁が濃いめのデミグラスソースと溶けあい、調和する。そして鼻から抜けるこしょうの香り。
もちろん上の目玉焼きは半熟で、黄身を絡めればまろやかな味わいが口に広がる。白米が止まらなくなる自信作だ。
黄色と褐色に、ごはんの白。この地味で庶民的な夕飯は、決してお金が取れる味じゃない。
……でも、
「うめー! やっぱ姉ちゃんの料理は最強だな!」
「そ、よかった」
この弟の陳腐な評価こそが、私の頬を緩ませるのだった。




