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【自然】思い出の場所で星空を
【お題:星、アルバム テーマ:ふるさと 文字数:420字】
心地よいそよ風が、私の頬をなでた。
胸の奥が少しだけうずく。
でも、展望台から見上げた夜の里は、降り注ぐような星空で、
一人ぼっちなのに、不思議と寂しさは感じなかった。
都会ではせいぜいオリオン座くらいしか見えないのに。
ここの天井は、バカみたいに賑やかだ。
眼前に広がる、どんなアルバム写真よりも幻想的な夜空。
きっと天のお星さま達も里帰りしたかったのかなって、ちょっと非科学的な感想まで抱いてしまう。
さらさらと、木の葉の擦れる音が、私の耳を静かにくすぐる。
里が私を歓迎してくれた証だろうか。
……それとも拒絶の意思表示なのかな。
どちらにせよ、私の心境に変わりはない。
深呼吸すると、澄んだ空気が胸いっぱいに満たされて。
忘れてはいけない過去を、溶かしてしまえる気がした。
……そうだ、私はあの日から、
心のどこかで、星のような彼女の笑顔を望んでいたのだ。
「……きれいだね、お姉ちゃん」
気がつけば、口から勝手に言葉がこぼれていて。
私の頬を、一筋の涙が伝っていた。




