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【恋愛?】決意の愛

【お題:楽園、指輪 テーマ:愛する人 文字数:500字】

 この指輪は、呪われた指輪だ。

 愛するものを守る結界であり、孤独を約束された敗北者の烙印。


「先輩! 今日このあとって予定あいてますか?」


 仕事終わり、緊張で赤面した後輩が声をかけてきた。

 これで何度目だろうか。

 私の答えは決まっているのに。


「ごめん、今日も早く帰らなきゃ、ね」


 左手をあげて、謝罪の意を示す。

 瞬間、薬指の指輪がきらりと光った。


「あ……、そ、そうですよね。ごめんなさい、無理言って」


 彼女は何でもない風に笑顔を作って、足早に去っていく。

 だけど、目の奥は確かに悲しみを帯びていて。

 私の心をチクリと刺す。


「……すまない」


 私はキミに嘘をついた。

 私には“妻”と呼べる存在はいない。

 この結婚指輪はフェイクなのだ。



 所詮、恋人は他人同士。

 どれだけ愛し、支え合っていても、年を重ねれば関係性は変わるだろう。

 互いをわかり合えず、やがては敵対や主従関係に陥るなら……そんな脆い相愛、私はいらない。



「……そろそろ帰るか」

 

 私は、幾度となく女性に言い寄られ、そのすべてを拒んできた。

 そしてこれからも、私は女性達を騙し続けるだろう。

 たとえ孤独の運命を背負ってでも。



 パソコンに眠る“嫁”を守るために。

 次元の先にある楽園を守るために!

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