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【コメディー】お片づけ戦争
【お題:コタツ、見えない流れ テーマ:季節の変わり目 文字数:497字】
「もう春だし、そろそろそのコタツ仕舞ったら?」
母の一言に、まず弟がすぐさま立ち上がった。
コタツに入ったまま、きょとんとする俺と妹。
それに奴はニヤリと笑って、
「じゃあ〝最後まで使ってた奴〟が責任もって片付けろよ?」
「「っ!?」」
瞬間、見えない流れを察知した俺と妹は、互いの足をロックしあう。
唐突に始まった片づけ役の押しつけ合い。
これ以上の抜け駆け、許してなるものか!
「な、ならむしろ、〝今期一番使ってた人〟が片付けるべきじゃない?」
とっさの妹の発言に流れが少し変わった。弟が舌打ちする。
よし、ナイスムーブだ。ここは俺も別の選択肢を追加しておこう。
「いや、〝始めにコタツを準備した奴〟って手もあるだろ?」
「はぁ……全く、別に誰だっていいじゃない」
そんなやり取りに、母はため息。
だが後片づけが面倒なのは皆同じだ。内紛は避けられないだろう。
と思いきや、母は俺を指さすと、
「だってそれ、全部あんたじゃない」
「……へ?」
思わず吹き出す弟。目をそらし、俺の足から逃げる妹。
俺は記憶をたどってみて……
「し、しまったぁぁああっ!」
抜け駆け、策謀、そして自爆。
見事3アウトを決めた俺は、片づけを命じられたのだった。




