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【ファンタジー】幸せを求めて ※残酷な描写あり
初めて魔法の才能が開花した日、僕は皆を幸せにすると心に誓った。
貧困の苦しみも、人への恨みも、人生への絶望もない。
そんな楽園を、僕は作りたかったんだ。
「やっと、その夢が叶ったのかな……」
隣で眠る妹の髪を、やさしく撫でる。
穏やかな寝顔だった。なんの苦しみもない表情で、ぐっすりと。
ようやく日々の苦労から解放されて、安心したのだろうか。
「……僕も、疲れたな」
いつの間にか空には月が輝いていた。
立ち上がって手を伸ばしても、触れることはできない。
けれどその月は、まるで僕を労ってくれるように笑っていて。
僕の努力は間違ってなかったんだなって、心から思える。
もう僕らを邪魔する奴なんてどこにもいない。
ついに平和を手に入れた。
ついに安息の世界を手に入れたんだ。
「みんなもそう思うだろ?」
後ろを振り向けば、そこは理想郷。
僕が夢見た光景が広がっていた。
無数の屍が一面に散らばる光景。
コンクリートの瓦礫と、飛び散る血と肉。
生の呪縛から解かれた魂たちは、きっと僕を賛美してくれる。
喜べみんな、腐った人間社会は破壊した!
生の苦しみも、もう味わう必要ないんだ!
「アハ、あハははハハ!」
紅く光る月の下、僕は笑い声をあげた。
【お題:楽園、屍、最初の才能 テーマ:サイコ 文字数:496字】




