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【コメディー】砂の橋
【お題:砂、橋、魅惑 テーマ:言葉遊び 文字数:430字】
川の向こうの財宝を手にするには、たった一本架かる橋を渡りきるしかない。
しかしその橋は砂でできていた。
今にも崩れそうな橋を前に、俺は弟に忠告する。
「いいか、慎重に渡るんだぞ。落ちたら終わりだ」
「うん、わかった!」
俺の言葉に弟は元気よくうなずくと、
「……は?」
ハンマーを振るってその橋をぶっ壊した。
「はぁ!? 何やってんだおまえ! 慎重に渡れって言っただろ!」
「うん。だから慎重に、石橋を叩いて渡ろうと思って」
「バカっ! 正しいけどそうじゃねえ! 大体この橋は石橋じゃねえだろ!」
「でも砂って細かくなった石のことだよね?」
「その通りだけどッ! 砂と石とじゃ強度が雲泥の差だ!」
「今は雲と泥じゃなくて砂と石の話だよ?」
「だからそうじゃねえ!」
ダメだこいつ話が通じねえ。
内心頭を抱える俺。
だが当の弟は、むしろきょとんとして、
「でもこの程度で壊れる橋じゃどのみち危なかったよ?」
「…………」
「渡らなくてよかったね」
財宝の魅惑に取り憑かれた本当のバカは、どうやら俺の方だったらしい。




