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【コメディー】明日は来る

【お題:未来、電気 テーマ:無慈悲 文字数:492字】

「未だ来ずと書いて“未来”。過ぎ去りし日と書いて“過去”と読むのだ!」

「……そだね」


 突如夜遅くに始まった姉の演説。

 私は布団の上にあぐらをかき、彼女を見上げてぼんやりと聞く。


「来ない日や去った日を考えても仕方ないわ。(うつつ)に在るのは“現在”だけ! 私達は今を生きるべきなの!」

「おやすみ、お姉ちゃん」

「さあ美優(みゆ)! 昨日や明日のことなんか忘れて、今から遊――ああああっ! ちょっと!? 何勝手に布団入ってんの!」


 横になった私を彼女は容赦なく叩き起こした。

 全く、往生際の悪い姉だ。


「いい加減観念したら? 過去も未来も“現実”なの。分かる?」


 先週の中間テストが赤点だらけで。

 明日から地獄の補習週間が始まるんでしょ?

 知ってる。でも自業自得よ。私には関係ないし。


「いやぁぁっ! 明日学校行きたくない! あの鬼教師と一対一だけは死んでも嫌なの!」

「そ。ガンバ。んじゃおやすみ」

「そんなぁ! 美優えも~ん、朝起きたら1週間後になってる道具出して~!」


 そんなものはない。


「じゃ電気消すね」

「あああ待って! 今日だけは! 今日だけは寝たくないのよーっ!」

「ふーん」


 ぱちり、と私は電気を消す。

 姉の目の前がまっくらになった。(物理)

 美優と姉 その1

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