ヒロ
数日後、俺は生徒会室の前に立っていた。記憶媒体と自信を持って。これからが勝負だ、今が勝負だ、よし行くぞ。俺は素早く扉を開け裕奈先輩の前に行った
「先輩、俺ちゃんとやってきましたよ。先輩に言われた通り愛について動画を作ってきました」
「じゃあ早速見せてくれ」
俺はパソコンとテレビを映像入出力ケーブルで繋ぎ、胸を張って動画を再生した。動画の内容は、近所の家の方々にインタビューをして回答してもらう形式だ。
「なんだこれは、途中に愛とか関係なく愚痴とか挟まれているではないか」
「何を言ってるんですか先輩、愚痴を言っているからって愛がないとは限らないですよ。だってこの方、心配だからって行ってるじゃないですか」
「それがどうしたのかな」
「心配していてもうまく口に出せない。愛情を表現しようとしてるときであっても愚痴がでるのは仕方ないと思います」
「じ、じゃあこの人は自分を攻めているではないか!」
先輩は負けないという表情でさらに反論してきた。
「それだって、旦那さんへ申し訳ない気持ちを語っているからではありませんか」
「うぅ…」
先輩は悔しそうに涙を目薬のように垂らして僕を見ていた。でも心の声が聞こえないのはなぜだろうか。
「わかった。合格としよう。」
「ありがとうございます。じゃあ、俺の映画手伝ってくれますね」
「その前に聞いてくれ」
先輩はさっきまでの泣きべそとは違い一人の頬を赤らめて告白直前のような女の子の顔になっていた。
「実は君に、言っておきたいことがあるんだ。実は……」
「だぁーー!ちょっと待ってくださいよ」
なんだこれは、地味なこの間は。緊張するじゃないか。告白みたいに吐息も聞こえてくるし、顔も赤いし、こんな裕奈先輩見たことないぞ。でも、かわいいなぁ「なんで遮るの?」みたいな顔もたまらん。
「いい……かな?」
「どうぞ」
「実は、私がヒロなの」
「ヒロってなんですか?」
「君のネット友だちのヒロだよ」
モジモジしている先輩と目を会わせると俺は石みたいに固くなった。
「どうしたの?そんなに固くなって、興奮しちゃった? 」
「い、いいえ!?別にそんなことないですよ! 変な汗出てますけど」
先輩がヒロ?たしかに映画を薦めてきたのはあいつだし、その薦めてきた人が、その学校の生徒会長で映画部ってつじつまが合うな
「じ、じゃあ先輩は俺の心の声のこと知ってるんですか? 」
「もちろん知ってるよ……で、でも他の人には絶対言ってないから!」
「そうなんですか…なんかやりにくいですね」
まてよ?逆に知っている人がいたらやり易いのかもしれない。俺の状況をみて助けてくれる存在になるかも。
「じゃあ、先輩は僕の秘密を唯一知っている特別な存在ですね! 」
恥ずかしがっているのか、先輩は手で顔を隠しているが少し見えている。まるでリンゴのように赤くして
「そっ……それはどういうことぉ?」
子供のように甘く、吐息混じりの声で聞いてきた。
「どういうこと?ってそのままの意味ですよ」
俺は今まで見せたことのない太陽の日差しのように眩しいような笑顔でそう答えた。すると、先輩は「ぎょ~~~!!」と叫びながら走り去っていってしまった。
「なにかわるいことしたかな」
俺は夕陽が、差し込み窓が少し開いているせいかカーテンが揺れるこの部屋に置き去りにされた。
読んでいただきありがとうごさいます。
ヒロの正体が、裕奈先輩ということが判明しましたね。今後どうなるのでしょうか!?
次回もよろしくお願い致します。




