良い悪魔と仲良くしたい!?~林村(はやしむら)の場合
「つまり、俺はすべての悪魔が悪いわけないと思うんだよね」
林村という青年が澄んだ目でそう言った。
「あ、そう」
ユチオは、そう言う林村にあきれて何も言い返さなかった。
ここは、ユチオという名前の妖精専用の黄色とピンクの異空間の世界だ。そこに、悪魔と仲良くしたいという願いを持った林村という男がやってきたのだった。
本当なら星形のかけらを集めてそれを専用の空間の場所に投げ入れて、人間の願いを叶えてやるのであるが、ユチオ自身は、悪魔に良い悪魔はいないと考える妖精だったため、この人間を悪魔と仲良くさせたくはなかった。つまりこれ以上この人間を相手にすることはできないと考え、それを聞くとすぐに林村の前からパッと消えた。
それにユチオは、今日はお友達の毛むくじゃらの物体(妖精)達と飲み会(牛乳)があったのだ。いつもの行きつけの喫茶店まで空間移動した。
ユチオの友達2人もそれぞれユチオのような専用の異空間を持っていて、好き勝手に暮らしていた。今回の集まりの喫茶店がある空間は、またユチオの空間や、他の毛むくじゃらの友達の空間とは別の空間なのだ。喫茶店は、ペンギンの形の10cm位の妖精と、首に水色の鈴をつけたピンクの毛むくじゃらの15cm位の小さいクマのような可愛らしい妖精が2人で切り盛りしている店だった。
ユチオが到着すると、そこには、すでにベニーがきていた。
ベニーとはユチオの友達で、薄ピンクがかった肌色の毛むくじゃらのユチオと同じ小さな体長15cm位の妖精だった。「ユチオ、久しぶり」
「久しぶりベニー」
「元気だったかい?」
「うん」
2人は先に温かい牛乳を注文した。
しばらくすると濃い茶色の毛むくじゃらのボンもやってきた。ボンも同じ物を注文した。
3人で乾杯をして、美味しいクッキーも注文して、3人は楽しいひとときを過ごした。
ユチオはカップまで温かいの牛乳の中に別の容器で置いてある粉砂糖をスプーンで一杯入れかき混ぜた。
「…」
そして難しい顔をしてそれを少し飲んだ。
ユチオに拒否された林村はどこに行ったかわからない。
1度人間の元の世界に戻り、日常を過ごしているのであろう。




