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これが恋蜜の世界1

家路につく馬車の中で、すでに眠りについていたレインのつられ、ラウルモンドもウトウトしていた。大人達は王太子殿下と接する緊張感から気疲れしているようだった。こういう疲れた時は甘い物が食べたくなる。先程の店で軽食を済ませたものの、予想外の出来事が起きた為、デザートを注文する余裕なんてなかった。


「ターニャ、私、無性に甘い物が食べたいの。この辺で美味しいスイーツが持ち帰れるお店ある?」


「屋敷の近くにある教会の隣がパン屋と併設したケーキ屋がメイド達の間で人気のようですよ。」


ターニャが教えてくれた店に寄ってから帰る事にした。店に近づくとターニャが窓の外を指さす。


「あちらのお店です。」


視線を指先に移すと店より先に教会が目に入った。

聖マグノリア教会。

初代ルフェラン領主の妻が慈善事業に熱心な方で、戦争孤児や家族を亡くした残された人達の慰めに建てられた教会。これは、エリカ・ルフェランの知識。前世の記憶としては、聖マグノリア教会は名前すらゲームに登場していない。しかし、この教会は攻略対象の一人に関連していた。


恋蜜(こいみつ)】攻略対象レオナルド・シャーウッド。

シャーウッド辺境伯嫡男。ヘンリー・シャーウッド辺境伯と孤児院出身で売春酒場の歌い手からオペラ歌手まで成り上がった平民マリアとの間に生まれた。マリアはシャーウッド辺境伯家では正妻として迎え入れられたが、貴族内での誹謗中傷から心を病み、レオナルドの幼少期に他界。父親であるヘンリー・シャーウッドは、息子が冷遇されることのないよう厳しく躾けるようになり、自身の地位を高めることによってレオナルドを守ろうとする。しかし、父親の思いとレオナルド本人の夢は一致しなかった。レオナルドは芸術の才能があり音楽を愛していた。父親の強要する剣術も社交界の付き合いや政治の権力もレオナルドにとっては苦痛でしかなく、次第に父親に畏怖の念を抱く。レオナルドは王立学園で主人公と出会い、自分は音楽の道で生きていきたいという気持ちが固まる。レオナルドの攻略エンドは、旅芸人として管弦楽団を立ち上げ、主人公と一緒に各国を回るというルートを迎える。それでは、終わらないのが【恋蜜(こいみつ)】。レオナルドが自分の管弦楽団を立ち上げるための資金として、自宅から持ち出した物は金庫で厳重保管されていた金塊だった。その金塊は金貨の材料として造幣局に運搬される途中の物でシャーウッド家に一時保管されていた。息子を庇い、父親のヘンリーは横領罪で投獄。シャーウッド家は取り潰しとなる。フォレスト国は一時しのぎとして銅を混ぜた金貨を発行してしまった為、通貨価値が不安定になり経済混乱が始まる。物価上昇による不景気が貧困格差を生じさせ、貴族・王族に対する民衆の反乱が起こる。

例え、アイゼンお父様との婚姻を逃れてもルフェラン侯爵家の娘であるのは変わりない。貴族である以上、民衆の的になるのは確定している。ゲーム開始前の私が出来る事。それは、レオナルド・シャーウッドの母親であるマリアと仲良くなり、ヘンリーと結婚させない事。【恋蜜(こいみつ)】ファンブック情報ではマリアは幼少期、この聖マグノリア教会で過ごしていた。情報はその一文だけだったので、マリアが何歳でいつ教会に来たのかは分からないし、前世とは違い、侯爵家令嬢である今、ターニャや護衛なしでは外出も難しい。マリアと遭遇するチャンスは出来るだけ逃したくない。パン屋の前で馬車を降りると眠っている子供達を理由にターニャには先に帰ってもらい、護衛騎士を連れてパン屋に入店した。焼き立てベーカリーの香りとバニラエッセンスの甘い香りが店内に広がっていた。私は本日二度目の「ここからここまで」を発動。今回は教会に行く時間稼ぎもあり、種別に梱包も店主にお願いした。ケーキは人気ということもあり、この時間帯では売れ残りがある程度だったがパンの数はかなりあったので時間が稼げる。護衛騎士に隣の教会でお祈りしてくるから迎えの馬車が来たら知らせるよう命じると教会へ向かった。

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