09
アレは一体、なんだっただろうと女は思う。ロボットは大したことないのに、“中身”が異常。
女は大都市を守る一員。それ故に、都市に入った悪者を捕縛するのも、また彼女の役目。彼女は少し離れたところの町で、町を守るロボットが破壊されたという話を聞いて警戒していた。そしたら、たまたま見るからに柄の悪い女たちに付き従っている少女を見付け保護しようした。が、失敗した。
女はあの時の事をこう語る。
「アレは人の皮を着た“化け物”だった。」
と。
そして、一度は失敗したが、追撃を開始した。奴らは町を出て、どうやら地上を移動する小型の要塞に乗り込み、移動を開始。ロボットを駆り、これを追撃した。のだが、結果は惨敗。
ロボット同士の戦いでは圧倒的に優位だった。だが、あの女がハッチを開き出てきた事で、ロボット同士の戦いによる優位は根底から覆された。
「なんなのよ、アイツは!?」
片足を失ったロボットを見やり、格納庫で地団太を踏む女。そこへ、軽薄そうな男がやって来て、
「どないしたん? そんな、やさぐれて」
軽薄そうな男の登場に辟易する女。正直、女はこの軽薄そうな男が嫌いだった。
「……別に」
「「別に」っつわれても、片足ないやんけ。どないしたん?」
「……喧しいわよ!」
女は軽薄そうな男に吐き捨てると、さっさと格納庫を出て行くのであった。
──一週間後。
「……くそ! また出るとは!」
それは先日に撃退した魔王の操るロボット。またもや、魔王の乗るロボットの初撃は射撃。“ダン! ダダン! ダダダン!”と連続性を重視した銃撃がきた。躱すのも鬱陶しいので構わず進む。しかし、弾速は前回よりも遅いのに、ロボットの装甲には僅かに凹みが!
「……なに!? 威力が上がってる?」
女は魔王の銃撃で凹んだ装甲を僅かに気にしつつ、近接戦へ。“ゴウン! ゴウン! ゴゴン!”と、女のロボットが先に先制攻撃。
「どうだ?」
「ほう、いいパンチだぜ!」
だが、先週は一撃ノックアウトだった魔王のロボットは、これに耐え、“ガン! ガガン! ガガガン!”と反撃してきた。装甲の凹みは、銃撃と変わらぬ同威力程度か。
「こっのー!」
“ヅガーン!”と女のロボットが魔王のロボットを一撃! すると、魔王のロボットは、動きを停止。次の瞬間、
「くはっ! いいね! 今日はもう片方の足をもらっていくぞ!」
コックピットのハッチを開けた魔王が、またしても生身で出てきて、女のロボットの残った片足を文字通りにもぎ取っていく。圧倒的な身体能力。
「ふふふ、では、また来週♪」
そう言って、魔王はもぎ取った片足を持って立ち去る。しかも、いつの間にやら、魔王が乗っていたロボットも姿を消していた。
「くっそー!」
両足を無くしたロボットの操縦席にて、女はガンとコンソールに拳を叩き付けるのだった。




