05
「いやー、お見事! お見事!」
地上要塞を止めて、鹵獲したロボットを解体するメカニック。彼女は魔王が人前で人を殺したことをなんとも思ってないようで、黙々と作業を進めていた。
「それで、コイツはいつになったら、完成するんだ?」
魔王の問い掛けに、メカニックは手を休めて、
「さあ? 少なくとも、先の戦闘で少しは経験値が積めたんじゃないかな? 其奴は私の傑作の一つ。どう成長を遂げるかは、アンタたち次第さ」
そう言って、メカニックはロボットの解体を再開するのだった。
さて、魔王が惑星ロボトゲネシスに渡って早くも半年が過ぎた。
相も変わらず、魔王はメカニックの言葉にのって逸れモノを襲っては、その端材を売って生計を立てていた。
「さーて、そろそろ町を守る連中でもやろうか?」
メカニックは自動運転機能を獲得したばかりの地上要塞の試運転を終えて、隣に佇む魔王を見遣る。魔王はメカニックの言葉に、
「町を狙うならず者はどうする?」
そう返す。すると、メカニックは、
「なら、まずは其奴らを始末しよう。いい経験値になるぜ」
そう言うと、地上要塞の自動運転に命令を下す。
「さあさあ、パーリィの始まりだ!」
それは圧倒的な蹂躙であった。魔王はロボットでならず者たちを蹴散らし、幹部はロボットから降りて魔力による制圧をかけた。
「……うむ。やはり、まだまだ弱いな。」
首魁を踏み付けミシリと音が響き、グチャリと首魁の頭を踏み抜く魔王。既に、動くものは見当たらず、火に包まれるならず者の根城。
魔王がロボットのところに戻るとそこには、
「あ、あの、助けて頂き、ありがとうございます」
魔王の見知らぬ女性がいた。彼女の話を聞くに、彼女は町を守る男の恋人だという。そんな、彼女に魔王は、
「いいね。その健気さ」
そう言って、ロボットに乗ると町を守る男の恋人をむんずと手で掴み、彼女の悲鳴など意に介さず飛び立つ。
魔王は町を守る男の恋人を連れたまま、町へと突き進む。
「おい、魔王ちゃん。聞こえてるか? つか、一旦、地上要塞に戻れ!」
「……安心しろ。ちゃんと、破壊せずに捕まえてやるよ」
そう言い残して魔王は進む。そして、遂に町の端へと辿り着く。
「おい、この女の恋人ってのは何奴だ?」
町の中に響く声、数多に顔を出す住民たち。そんな中から一人の男が進み出る。
見た目は中肉中背の男。見た目からしてパッとしない。が、その瞳には他の者にはない強い光を放っていた。
「おい、お前! 我と戦え! 然もなくば、この女の命はないぞ?」
魔王はその男に向けてそう言うと、ロボットの手に掴んだ女を態と握り、悲鳴を上げさせる。
男は慌てふためくと、直ぐ様に建物内に入るとロボットを出撃させた。
「お! いいね! さあ、勝負だ!」
魔王はロボットが出てくると、躊躇う事無く腕を振って人質にした女を地面に叩き付けた。
「……うあああああ゛あ゛あ゛!!」
雄叫びと共に襲ってくるロボット。“ガツン! ガツン! ガツン!”と、魔王が乗るロボットを殴る。対して、魔王は相手のロボットの顔面を掴み、
「やるね。いいよ!」
“ガドン!”と頭突き。さらに、ロボットの手に剣を持つと袈裟に斬り付ける。相手は袈裟斬りを躱すと、お返しとばかりにパンチを繰り出し、さらに“ゴゴゴ……!”とロケットパンチンで距離を取る。
「ベル・ブラスト!」
そして、トドメの一撃を放ってきた! しかし、
「おっと、危ない危ない」
すかさず、ハッチを開いて魔力で盾を展開して無理矢理防ぎきる。そして、
「ハッハッハッ、いいぞ! 此処からはマジでいくぞ!」
ロボットから飛び出すと生身で一気に相手ロボットの懐へ。“ガン! バゴ! ダンダン!”と、凄まじい音が響き、更には“ゲゴン! ズュア! バーン!”と、畳み込む。そして、遂に、
「フッハッハッハッ、さあ、これで終いとしよう!」
相手ロボットの頭部にある操縦席に詰め寄り、コックピットを破壊して暴れる男を掴み出す。
「クックックッ、中々の腕であったぞ。さらばだ!」
そう言って、男の顔をパーンと魔王は吹き飛ばすのだった。




