# 第九話 魔界連合軍
# 第九話 魔界連合軍
ドォォォォォン!!
怪物の咆哮だけで闘技場の壁が砕けた。
観客たちは避難を始める。
空は黒く染まり、
魔界そのものが震えていた。
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『我が名はベルゼヴァル』
巨大な怪物が名乗る。
『千年前、アークスに封印された魔王殺しだ』
その姿は山のように巨大だった。
翼を広げるだけで空を覆う。
まさに災厄。
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「冗談だろ……」
レオンが顔を引きつらせる。
「こんなの勝てるのか?」
セドリックも珍しく弱音を吐く。
だが。
ルシオンだけは笑った。
「面白い」
「は?」
「最強を目指すなら倒すしかないだろう」
やっぱり天才は少しおかしい。
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ベルゼヴァルが腕を振る。
巨大な黒い衝撃波。
街一つ消し飛ばせる威力。
「来るぞ!」
ルシオンが叫ぶ。
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次の瞬間。
黄金の光が走った。
「天翼斬!!」
ドォォォォン!!
ルシオンの剣が衝撃波を切り裂く。
会場が歓声に包まれる。
「すげぇ!」
「ルシオン様!」
「かっこいい!」
相変わらず人気だった。
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レオンも続く。
「俺も負けてられないな!」
銀色の魔力が爆発する。
無数の魔法剣。
空を埋め尽くすほどの数。
「流星剣雨!」
ガガガガガガガッ!!
ベルゼヴァルの体に突き刺さる。
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だが。
傷は浅い。
ベルゼヴァルは笑った。
『その程度か』
絶望的だった。
最強クラスの攻撃が効かない。
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その時。
リリスが前へ出る。
「みんな下がって」
「リリス?」
グランが驚く。
リリスの瞳が赤く輝いていた。
魔力が膨れ上がる。
空気が震える。
ゼクトが目を見開いた。
「まさか……」
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リリスの背中から。
漆黒の翼が現れた。
さらに。
頭には王冠のような魔力が形成される。
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「魔王血統覚醒……」
ルシオンが呟く。
会場がざわついた。
魔王一族だけが使える伝説の力。
それが今。
目覚めたのだ。
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リリスはグランを見る。
少し照れながら。
でも真っ直ぐに。
「勘違いしないで」
「?」
「あなたを守りたいわけじゃないから」
「うん」
「魔界を守りたいだけだから」
「うん」
「だからその顔やめなさい!」
「どんな顔!?」
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しかし。
そのやり取りを見た瞬間。
システムが反応した。
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好感度上昇
リリス → グラン
急上昇
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「表示するなぁぁぁ!!」
グランの悲鳴が響く。
リリスは真っ赤になった。
「消しなさいそれぇぇぇ!!」
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その時だった。
アークスの声が響く。
『グラン』
「なんだ?」
『まだ気付かないのか』
「?」
『魔王の魅力の本当の使い方を』
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グランは首を傾げた。
するとアークスが笑う。
『お前は今まで』
『借りていただけだ』
『みんなの力を』
『だが本当は違う』
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『魔王とは』
『仲間を強くする存在だ』
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その瞬間。
グランの頭に何かが流れ込んだ。
新しい力。
新しいスキル。
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新能力解放
【王の祝福】
仲間全員の能力を大幅上昇
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「え?」
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グランの体から紫色の光が広がる。
ルシオン。
レオン。
セドリック。
リリス。
全員を包み込む。
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「なっ!?」
ルシオンが驚く。
体が軽い。
魔力が倍増している。
レオンも叫ぶ。
「なんだこの力!?」
セドリックが笑う。
「なるほど」
「これが本物の魔王か」
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ベルゼヴァルの表情が変わった。
初めて。
焦りが見えた。
『その力は……』
『アークスの……!』
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グランは剣を構える。
仲間たちも並ぶ。
ルシオンが笑う。
「今回は共闘だ」
レオンも頷く。
「悪くない」
リリスはグランの隣へ。
「絶対勝つわよ」
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そして。
魔界最強の五人が並んだ。
千年前に届かなかった未来。
その未来へ向かって。
彼らは走り出す。
## 次回予告
**第十話「みんなで掴む勝利」**
魔王の力がついに覚醒!
グラン率いる魔界連合軍VSベルゼヴァル!
そして明かされる千年前の真実!
最終決戦の幕が上がる――!




